てのんでは、夏休みの小学生の自由研究のヒントとなる情報をお伝えしています。
夏休みも後半に入り、実験からまとめまであまり時間のかからない、しかも親子で楽しくできる実験をご紹介したいと思います。
そこで2回目は、野菜やくだもの、花からどんな色水ができるのか?色水がどんな性質を持っているのか?を調べる実験についてお伝えします。
紫キャベツの液を使って、液の性質を知ろう
7月20日、小学生と保護者を対象に自由研究のワークショップを開催しましたが、その時におまけの実験として、紫キャベツの液を使って簡単な実験をしました。
紫キャベツの液は、適量の水を入れた鍋に、ざく切りにした紫キャベツを入れて茹で、ザルでこすと出来上がります。きれいな紫色の色水が出来ますよ。
まず、紫キャベツの液を卵パックに少量入れます。その液の中に、石けん水、重曹、お酢、レモン汁を垂らし、その性質を調べてみようという実験です。
すると、どんな色に変化するかというとこうなります。
石けん水は青色に、重曹は濃い青色もしくは緑がかった青色、お酢は赤色、レモン汁は濃い赤色に変化します。すごくきれいな色になり、その色の変化を見るだけでもちょっとワクワクします。
なぜこんな色に変化するかというと、紫キャベツにはアントシアニンという色素が含まれていて、酸性やアルカリ性のものを混ぜると、その性質に合わせて色が細かく変化するんです。
学校でリトマス試験紙やBTB溶液を使って液体の性質を調べたことあるかもしれませんが、リトマス紙は青色の試験紙が赤に変わると酸性、赤色のリトマス紙が青色に変わるとアルカリ性という事がわかりますよね。それと同じ役割をするんです。
つまり、酸性、ここではすっぱい液体のお酢とレモン汁は赤色に変化し、アルカリ性、ここでは重曹や石けん水は青色に変化するんですね。
酸性、アルカリ性の性質が強ければ強いほど、酸性の場合はより濃い色の赤色に、アルカリ性の場合は青色から緑色になるようです。
小学生の場合、まだリトマス紙とか、酸性、アルカリ性といっても難しいと思いますが、この色の変化を体験し、科学の面白さ・不思議さを感じていただきたいと思います。
もしこれを夏休みの自由研究にしたいなあと思った人がいたら、おうちにある色々な液体をいれて、その性質を調べてみるのも良いかも知れません。
野菜やくだもの、花から色水を取ろう
我が家では、紫キャベツの他にも、いろんな果物や野菜、花からしぼり汁を取って、そのしぼり汁に同じようにレモン汁や重曹など入れて実験をしてみました。色水作りは子供に体験させても楽しいし、1日あれば実験できるので、挑戦していただいても面白いかも知れません。
用意したもの
- ぶどう
- 紫キャベツ
- 玉ねぎ
- なす
- ほうれん草
- バジル
- トマト
- 紫のりんどうの花
- ピンクのカーネーション
- 黄色のきくの花
※たまたま家にあった野菜や果物を使っています。汁が取れそうな野菜や果物、花だったらなんでも試していいのでは?と思います。少し調べてみると朝顔やツユクサなども色の変化があって良いようです。
しぼり汁の取り出し方
- ビニールの中に用意したものを入れる。(大きい葉っぱなどは細かくちぎって入れる)
- ビニールの上からすりこ木でたたいて汁を出す。(汁が出にくい時は少し水を入れる)
- ビニールのふくろの隅を切って汁を絞り出す。そして、それぞれガラスのびんの中に入れる。
それぞれどんな色水が出来たか詳しく見てみよう
- ぶどう・・赤っぽい紫色の汁ができた。ぶどうジュースのようでおいしそうに見える
- 紫キャベツ・・・きれいな紫色のしぼり汁ができた。10種類の中で一番きれいな色水に思った。
- 玉ねぎ・・皮を水に入れるとなかなか色が出てこなかったけど、お湯を入れると皮の色がとけはじめ、オレンジ色の透き通った汁ができた。においをかぐと玉ねぎスープのようないい匂いがした。
- なす・・なすの皮は濃い紫色なのに、茶色のにごったしぼり汁ができた。きれいな紫色の汁ができるかと思ったけど、予想と違った。
- ほうれん草・・葉っぱと同じ、濃い緑色のにごったしぼり汁ができた。
- バジル・・葉っぱが緑色なのでほうれん草と同じ色だと思っていたけど、こげ茶色のしぼり汁になった。なぜ緑色にならないのか不思議だった。
- トマト・・皮が赤色なので赤くなると予想していたが、その通りになった。赤くてトマトジュースみたいだった。
- りんどうの花・・紫色の花なのに、しぼってみたらうすい黄色の汁が出来た。
なんで紫色にならなかったのか不思議だった。
- ピンクのカーネーション・・しぼり汁は透明な水のようになって驚いた。
- きくの花・・しぼり汁はナスのしぼり汁に似ているこげ茶色だった。花びらは黄色なのに茶色になって不思議だった。実験に使った3つの花は、全部花びらと違う色になった。
色水を作ってみてわかった事
もとの色と同じ色の色水を取り出せるものと、取り出せないものがあることがわかった。
- もとの色と同じ色の色水を取り出せるもの・・ぶどう、紫キャベツ、たまねぎ、ほうれん草、トマト
- もとの色とちがう色が取り出せるもの・・なす、バジル、りんどうの花、ピンクのカーネーション、きくの花
次に、色水はどんな性質を持っているのか調べてみる
お酢、石けん水、レモン汁、クエン酸、重曹を色水に入れて、どんな色になるかを調べる。
- ぶどうの場合・・もとのしぼり汁は赤紫色
重曹・・黒っぽい紫色 石けん水・・にごったピンク色
お酢、レモン汁、クエン酸・・赤色
- 紫キャベツの場合・・・もとのしぼり汁はむらさき色
重曹、石けん水・・青色
お酢、レモン汁、クエン酸・・赤色
- たまねぎの場合・・もとのしぼり汁は透き通ったオレンジ色
重曹、石けん水・・オレンジの色が濃くなる
お酢、レモン汁、クエン酸・・オレンジの色が薄くなる
- なすの場合・・もとのしぼり汁は茶色
重曹、石けん水・・少し茶色が濃くなる
お酢、レモン汁、クエン酸・・少し茶色が薄くなる
- ほうれん草の場合・・もとの色は緑色
どの液を入れても、ほとんど色が変わらない
- バジル・・もとのしぼり汁は茶色
重曹、石けん水・・元の色より黒っぽくなる
お酢、レモン汁、クエン酸・・元の色より明るい茶色になる
- トマト・・もとのしぼり汁はにごった赤色
どの液を入れても、ほとんど色が変わらない。
- りんどう・・もとのしぼり汁はうすい黄色
重曹、石けん水・・少し黄色が濃くなる
お酢、レモン汁、クエン酸・・ほとんど色が変わらない。
- カーネーションの場合・・もとのしぼり汁は透明な水のような色
重曹、石けん水・・黄緑色になる
お酢・・うすい黄色になる
レモン汁、クエン酸・・もとの花びらと同じ色のピンク色にかわって驚いた。
- きくの花の場合・・もとのしぼり汁は透明な茶色
重曹、石けん水・・茶色の色が濃くなる
お酢、レモン汁、クエン酸・・茶色の色が薄くなる。
色水の性質を調べる実験を整理してみよう
- お酢、レモン汁、石けん水などを入れると、もとの色が変化するものと、どれを入れても変化しないものがある。
・もとの色が変化するもの・・ぶどう、紫キャベツ、たまねぎ、なす、バジル、りんどう、
ピンクのカーネーション、きくの花
・もとの色と変化しないもの・・ほうれん草、トマト - もとの色が変化するものも、色水の色が変わる仲間わけができる。
・重曹、石けん水は、同じような色の変化になった。
・お酢、レモン汁、クエン酸は、同じような色の変化になった。㋐重曹、石けん水を入れると、同じ色だがもとの色より濃くなり、お酢、レモン汁、クエン酸を入れると、もとの色より薄くなったもの・・たまねぎ、なす、バジル、りんどう、きくの花
㋑重曹、レモン汁などを入れると、色自体が変化するもの・・ぶどう、紫キャベツ、ピンクのカーネーション - 重曹、石けん水はアルカリ性で、お酢、レモン汁、クエン酸は酸性なので、アルカリ性のものを入れるとしぼり汁は同じように変化し、酸性のものを入れると同じように変化することがわかった。(アルカリ性、酸性については紫キャベツの液の実験の所で説明)
以上のように、野菜や果物、花から色水を取って、色水の性質を調べてみると、いろいろな事がわかって面白いですよね。
今、振り返ってみたら、ピンクのカーネーションの色水の変化も面白いですね。
クエン酸やレモン汁を入れるともとの花びらの色に変わるのはなぜなんでしょうね。
たくさん写真を掲載したりしましたので、けっこう時間がかかる実験かな?と思われるかもしれませんが、実験自体は1日で終わります。その実験結果をまとめたりするのも、頑張れば1日~2日で終わりますので、今から挑戦しても十分に間に合います。
色水作りは、子供たちも喜んでしますので、親子で楽しみながら実験してください。
もし、「私はこんな実験をしてみました!」「ぼくはこんな実験をしてみようと思います!」とお知らせいただける方がいたら、以下の投稿フォームよりお伝えいただけたら嬉しいです。その情報を、てのんの中でもご紹介できたらと思っています。