前編では、本当にレモンは電池になるのか?他の果物や野菜でも電池になるのか?実験した内容をお伝えしましたが、後編ではいろいろな液体も電池になるのか?実験した結果とまとめをお伝えします。
液体も電池になるか実験してみる
用意した液体
- 水(水道水)
- 炭酸水
- 麦茶
- オレンジジュース
- お酢
- 食塩水
実験の方法
ゼリーの容器に70ccの液体を入れる。容器を1個~6個まで用意し、LEDのつき具合を調べる

実験の結果
水道水の場合
- 水道水1個の場合・・LEDはつかなかった。
- 水道水2個の場合・・肉眼でかろうじてわかるくらいのぼんやりとした光がついた➡水道水も電池になることがわかった。
- 水道水3個の場合・・2個の時よりか光は明るくなったが、レモン電池の時よりかくらい。
- 水道水6個の場合・・4個~5個の時よりも光は明るくなった。ただレモン電池よりも光は弱かった。
果物の時と同じように、レモン電池2個の時の光を1として、水道水の時の明るさと比較してみる。
炭酸水の場合
麦茶の場合
- 麦茶1個の場合・・LEDはつかなかった。
- 麦茶2個の場合・・LEDはついた。レモン2個の時と同じくらいの明るさだった。➡麦茶も電池になることがわかった。
- 麦茶6個の場合・・レモン6個よりは明るく、キウイフルーツやバナナ6個と同じくらいの明るさになった。
オレンジジュースの場合
- オレンジジュース1個の場合・・LEDはつかなかった。
- オレンジジュース2個の時・・LEDがついた。レモン2個の時よりも明るく、炭酸水2個の時と同じくらいの明るさだった。➡オレンジジュースも電池になることがわかった。
- オレンジジュース6個の時・・果物、液体合わせて今までで一番強い光となった。はっきりとした明るさで、オレンジジュースがこんなに強い光になるなんて驚いた。
お酢の場合
- お酢1個の時・・LEDはつかなかった。
- お酢2個の時・・LEDはついたが、ぼんやりとしたわずかな光だった。ただ、3個になったら意外と明るい光になった。➡お酢も電池になることがわかった。
- お酢6個の時・・3個~6個と数が増えるにつれて光も明るくなった。6個の時はレモン6個の時よりも明るく、麦茶6個の時と同じくらいの明るさになった。
食塩水の場合
- 食塩水1個の時・・LEDはつかなかった。※食塩水はこれ以上食塩が溶けないというくらいの濃い食塩水にした。
- 食塩水2個の時・・LEDはついた。レモン2個の時よりも明るい光で、オレンジジュースやジャガイモ2個の時と同じくらいの光だった。➡食塩水も電池になることがわかった。
- 食塩水6個の時・・フルーツ電池・液体電池合わせて1番強い光になった。
液体の明るさを表にまとめて比較してみました。※レモン2個の時の光の強さを1として、光の強さを数字にして表しています。
液体の中で1番明るくなったのが食塩水で、次にオレンジジュース、炭酸水、麦茶、お酢、水道水の順番だった。
- 実験した液体全部でLEDはついた。どの液体も電池になることがわかった。
- 個数が多くなるにつれ、LEDの明るさは明るくなった。個数が多い方が電流が多く流れるのではないかと思った。
では、果物、野菜、液体でどうして電池ができるのだろうか?
フルーツ電池・液体電池の仕組み

亜鉛版が果物の汁や液体に溶け出すと、亜鉛版の中に「電子」(図では⊖)という電気の性質を持った小さな粒が残り、この電子がリード線の中を移動して銅板に流れる。電子が移動したので電気の流れ(電流)ができ、LEDがつくという仕組みだそうだ。
乾電池の仕組みはどうなっているのだろうか?

詳しいことは難しくてわからないが、亜鉛から出た電子が導線や電球などを通って+極に移動して電流が流れる仕組みだそうだ。つまり、フルーツ電池や液体電池も乾電池と同じ仕組みができるので電流が流れるという事がわかった。
実験後の亜鉛版
亜鉛版は実験前はピカピカだったけど、実験した後は液につけたところが濃い灰色になっていた。亜鉛が溶けたからこのようになったのではないか?と思った。
実験後の銅板
銅板は亜鉛版ほどはっきりと色は変わっていなかったが、少しさびた感じになっていた。本には「銅はほとんど溶けない」と書いてあったが、なぜこのようにさびた感じになったのかな?と思った。
実験のまとめ
- 電池は、意外と簡単に身近な材料でできるので、本当に驚きました。
プラス極になるものと、マイナス極になるものと、それを通すものがあれば電池が作られるんだなあという事がわかりました。今回は、実験したすべての果物、野菜、液体で電気がつきました。という事は、他の果物や液体(例えばスイカやリンゴ、メロン、キュウリ、なす、しょうゆ、牛乳、お酒など)でも電池が作れるのかなと思いました。
これからやってみたい事
- 本に書いてあったので銅板と亜鉛版で実験したけど、他の金属でも(例えば鉄、アルミニウムなど)でも電池を作ることができるのかなと思いました。
- 個数を増やせば増やすほどLEDの明かりは明るくなりました。例えばレモンを10個、20個、30個とつなげていけば、どのくらいLEDは明るくなるのか?またできた電気で、もっとすごいことができるのかな?(例えばモーターが回るとか)やってみたいなと思いました。
電気は目に見えません。「電子が移動して電気の流れができる」と説明が書いてあっても、電子って何なのか?なんでそうなるのか?どうして電気ができるのか?まだ、しっかりとはわかりませんでした。ただ、身近なものでも電池が作られるという事がわかり、電気って不思議だなと思いました。
以上が子供が小学生の時に取り組んだ自由研究の内容です。
一緒に手伝いながらやる私の方も理科が得意ではなかったので、電池の仕組みや電子の流れについてしっかりと理解している訳ではありません。しかし、小学生の自由研究は、科学への興味や関心が芽生えるきっかけになればよいと思うので、難しい理論や仕組みがわからなくても、子供が「こういうこともしてみたい!」「こんなこともできるかな?」と思いついた事を、とにかくなんでもいいからやってみるという姿勢が大事じゃないかなと思います。
自由研究をするのは親も子もしんどいですが、楽しさもあります。頑張った分だけ得るものも多いと思いますので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。



