夏休み初日の7月20日(土)、鹿児島市のMBCtegeラボで「てのん」が初めて開催したワークショップ。
小学生と保護者の方、およそ60人が参加してくださり、たまごの浮き沈みの実験などを行いましたが、親子で真剣にそして楽しそうに参加してくださっている姿に、スタッフ一同嬉しく思いました。ご参加ありがとうございました。
台風5号の影響で大雨が降ることも予想され、開催できるか心配しましたが、なんとお天気も持ちこたえ、予定通り始める事ができました。
ワークショップは午前と午後の2回実施しましたが、鹿児島市内の小学生の方をはじめ、加世田市や姶良市など県内各地からもご参加いただき、午前と午後あわせて60人の方にお集まりいただきました。
ワークショップ開催のきっかけ
子供が小学生の時、カブトムシを1年間観察した事がきっかけで、さまざまな自由研究を親子で一生懸命取り組みました。
その経験から、子供と一緒に実験や観察を楽しく進めていく方法や、結果のわかりやすいまとめ方のコツが、少しわかったような気がしましたので、そのノウハウを小学生とその保護者の方にお伝え出来ないかと開催させていただくことになりました。
そこで今回、ワークショップで工夫したのは、ワークシートでした。
実験だけを体験していただくのではなく、実験をしながらワークシートに順番に書いていくと、自由研究を提出するときのまとめ方まで終わらせられるようにしたいと工夫しました。
そして、このまとめ方を基本として、他の実験や観察をするときにも応用していただけたらなと思います。
たまごの浮き沈みの実験スタート
今回のワークショップで行ったのはたまごの浮き沈みの実験です。
水の中に生たまごを静かに入れると、たまごはどうなるでしょうか?
そして、水に食塩を小さじの計量スプーン1杯ずつ入れていくとたまごはどうなっていくのでしょうか?
まず、子供たちに実験を予想してもらい、発表をしてもらいました。
「たまごは、水の時は沈んでいるけど、食塩を入れていくと浮いてくると思う。」
「たまごは、だんだん上に上がってくると思う。」
子供たちの予想です。
では、実際にどうなるのでしょうか?確かめるための実験の開始です。
観察がわかりやすいように、たまごの丸い方に★印、とがった方に●印をつけました。
まず、水の中にたまごを静かに入れます。どうでしょうか?
子供たちの観察の声です。「たまごはしずんだ!」「たまごは横になっている!」
水の中にたまごをいれると、横になってしずみます。
次に、塩を小さじ1杯入れてみると・・
「まだ、しずんでる!」「変化がない!」
小さじ2杯目をいれると・・
「まだ、横になったまま!」「あんまり変わらない!」
ここまでは、あまり変化がないので、沈んだままのたまごに変化があるのか、ちょっと気になるところです。
しかし、小さじ3杯目を入れるくらいになると・・
「あっ、★印のついたほうが少し上がってきた!」という声も上がり始めました。たまごの様子に変化が表れ始めましたよ。
そして、小さじ5杯目くらいになると・・
「あっ!たまごが立ってきた!」「たまごを横にしずめても、ゆっくり立ち上がる!」
そして、いよいよ小さじ6杯目~8杯目になると・・
「浮いた!浮いた!たまごが浮いた!」「やったー!」
それぞれの親子が観察していたたまごが、とうとう水面に浮いて、思わず拍手をしたり、歓声をあげたり、子供たちがその瞬間をとても喜んで迎えていることに、私たちも嬉しくなりました。
さあ、ここで、実験をしてどんなことがわかったのか発表してもらいました。
「たまごは、水の時には横になって沈んでいたけれど、塩を入れていったらだんだん立ってきて、浮きました!」
「たまごは、★印をつけた丸い方を上にして浮かびました!」
子供たちがしっかりと観察し、わかったことを自分の言葉で表現できていることが素晴らしいなあと思いました。
この後、どうして食塩を入れたらたまごは浮いたのか?について少し説明をしました。
特別な実験道具がなくても、たまご、塩、水という簡単な材料で、面白い実験ができますよね。
小学生の頃は、難しい科学の原理がわからなくても、親子で一緒になって「なんでだろうね」「面白いね」とまずは実験を楽しみ、科学への興味関心につながっていけたらいいなあと思います。
子供たちは、たまごの浮き沈みの実験をしてどのような感想を持ったのでしょうか?
「きょうはたまごの浮き沈みだけを実験したけれど、他のいろいろなものを入れて、浮かべてみたい!」
「もっと塩を入れていったらどうなるのか調べてみたい!」
「今日は生卵で実験したけど、ゆで卵だったらどうなるのか調べてみたい!」
このような感想を聞くことが出来、ワークショップを開催してよかったなあと嬉しく思いました。
この他、紫キャベツの液にお酢や石けん水などを入れて、液の性質を調べる簡単な実験もしました。
自由研究をまとめるコツ・方法
ワークショップの中でもお話ししましたが、改めて自由研究をまとめるコツ・方法をお伝えします。
以前、科学コンテストの表彰式に出させていただいた時、審査員の先生が講評の中でお話しされた「科学とは・・」について。
科学とは
- ものを見る目が大事・・自分の周りのちょっとした出来事に対し、「どうしてなんだろう?」という疑問や興味関心を持つことから科学は始まる。
- そして考える・・疑問に思ったことを、実際に実験や観察をして調べる。その時に大事なのは、五感を使う事・・目で見る、音の変化などを耳で聞く、鼻を使って匂いを嗅ぐ、口を使い味の違いを比べたり、舌触りを比べたり、そして皮膚の感触、肌触り、触った感触などで調べる。自分の五感を使って感じたことを記録すると、より深い実験や観察の内容になります。
- 理解する・・調べた結果「こういう事だったんだ。なるほどわかった!」と自分なりに理解する。
- なにかに使ってみる・・わかったことを基に、実際に作ってみる、試してみる子供が持った素朴な疑問を、実験や観察を通して調べ、理解する、そして応用することが自由研究でできたら素晴らしいと思います。
次に大切なのは・・
- わかりやすくみんなにお知らせする事。
せっかくいい実験や観察をしても、読んでもよくわからないというまとめ方では意味がありません。絵やグラフ、表などを使って、順序だてて整理して書くことが大事です。※整理して書くというのは、小学生だけでは難しい部分もあると思うので、保護者の方も一緒にアイデアを出しながら書いていく事が大切だと思います。 - 写真だけに頼らない
記録として写真を撮っておいて、必要に応じて実験記録の中に貼ることも重要です。しかし、写真を撮ったことに満足して、自分の目でしっかりと観察していない事があります。観察や実験の記録は写真だけに頼らず、自分の目で細かく観察し、スケッチすることが大事です。
自由研究のまとめ方
- 実験のきっかけ・・なぜこの実験をしようと思ったのか?
- 結果を予想してみる
- 実験の方法・・どんなふうにして実験を行ったか
- 実験の道具・・どういう道具を用意したか?
- 実験の記録
- なぜ、そうなったかわからなかったら、本などで調べて理解する
- 実験の結果から分かったことをまとめる
- 今後してみたいこと
この他のアドバイスとして・・
自由研究で、工夫した事、頑張ったことなどを作文に書いてもいいと思います。
参加者のアンケートから
「わかりやすく説明していただき、親子で自由研究の勉強、ヒントがわかりました。ぜひ親子で取り組んでみたいと思いました。
子供の「なんで?」「どうして?」の声に、もっとアンテナをはって一緒に勉強できたらいいと思いました。」
「夏休み初日にこのような企画をしていただきありがとうございました。おかげさまで子供の成長の姿も見ることが出来ました。」
「自由研究も気が重かったのが、ヒントをもらえました。」
「ワークシートがとても役立ちます!」
「とてもいいアイデアをいただきました。自由研究を楽しめるように頑張りたいです。」
「特にまとめ方の所で、色々な方法でみんなに分かりやすく伝えることが大事だと教えてもらい参考になりました。」
そして、参加した小学生からこんな声もいただきました。
「すごく分かりやすい説明ですごくいいきかいになりました。もっとくわしく、また今度おしえてください。夏休みにやります。」
皆さま、温かいコメントを本当にありがとうございました。
私たちスタッフ一同の励みになりました。
また、来年の夏休みもこのようなワークショップを開催させていただければと思っています。
そして、今年の夏休みの間、このサイトの中でも、自由研究のヒント記事を出していきたいと思いますので、参考にしてくださいね。
では、皆様、今年の夏休みの自由研究も頑張ってくださいね。
MBCニュースで紹介していただきました!