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「暮らし」

義母おススメ!ドクダミの花でできる自家製虫刺され薬をつくってみた!


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5月の連休明けの頃、夫の実家に行くと義母が「お願いがあるの。庭にドクダミの花が咲き始めてるから、いっぱい摘んできて。」と…。ドクダミの花が咲く今の時期は、手づくりの虫刺され薬をつくるのに外せない時期らしいのです。

ということで、90歳になり足腰が弱って庭に出られなくなった義母に代わって、今年は私が採取。ドクダミでつくる虫刺され薬を初めてつくってみました。義母が「効果テキメン!」という自然由来の虫刺され薬、とっても簡単に出来ました。

ドクダミの花期が好機

ドクダミの花が真っ盛りの季節ですね。

あちらこちらでドクダミの花を見かける季節ですあちらこちらでドクダミの花を見かける季節です

散歩道の道ばたなど、いたるところに自生しているドクダミは5月から7月が開花期。抜いても、抜いても生えてくる旺盛な生命力と独特の強い匂いがあることから、どちらかというとやっかいもの扱いされることが多いドクダミですが、真っ白い清楚な花とハート形の葉っぱはとても可愛くて、私は庭に咲いた花を1つふたつ摘んでは、一輪挿しに飾ったりしています。
私は庭に咲いた花を1つふたつ摘んでは、一輪挿しに飾ったりしています。
でも、放っておくと根を広げて際限なく増えていってしまうので、あとはバンバン引っこ抜いてゴソッと捨ててしまっていました。

これが、義母にとっては、もったいない!これから夏場にかけて悩むことが多くなる虫刺されやかゆみ止めに効果を発揮する万能薬になるらしいのです。これまでも、義母のナチュラルな暮らしぶりついては、自家製ヘチマ化粧水、作りましょ♪~不二子おばあちゃんの自然生活~などでご紹介してきました。

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これもそのひとつ。長年続けてきた義母なりの民間療法で、ドクダミの花が咲くこの時期にまとめてつくっておくのが毎年の季節仕事なのです。そのきっかけを聞いてみると…

毎年ドクダミの花で虫刺され薬をつくっている 義母の不二子おばあちゃん(90)毎年ドクダミの花で虫刺され薬をつくっている
義母の不二子おばあちゃん(90)

「長いこと、家庭菜園をしていたでしょ。畑に出ると、つい夢中になって、蚋(ブヨ)などの毒虫によく刺されていたの。赤くパンパンに腫れたり、痛痒かったり、熱をもったりしてね、随分悩まされてきたよ。

そんな時に、知り合いから『ドクダミの花を焼酎に漬けて、その液を塗ったら一発で治るよ。』って聞いたの。やってみたら、ほんとに赤みがひいて、腫れが治まって、かゆみも和らいだの。しかも簡単。それ以来、毎年つくるようになったのよ。」

義母は、科学的な根拠は分からなかったものの、その抜群の効果を実感し、しかも身近な野草で簡単にできるとあって、毎年花の時期になると1年分をつくっておいて、虫刺されはもちろん、あせもや化膿止めなど様々な皮膚トラブルに使ってきたんだそうです。

義母にとっては、ドクダミは、まさに生活に欠かせない自然由来の万能薬草なのです。そういえば、ドクダミってドクダミ茶などもあるし、健康に良い成分がいっぱい入っているんだろうなぁ…いろいろ興味が湧いてきて、その健康効果について少し調べてみました。

やっかいものどころか、毒出し効果があるすぐれもの

ドクダミは、貝原益軒が十種の薬効があるといったことから「十薬」とも呼ばれるようになったくらい薬効が高い野草なんだそうです。古くは2000年以上前から民間薬として使われてきたといいますから驚きです。

自然食・自然療法のバイブル「薬草の自然療法」(東城百合子著)には「ドクダミは浄血・利尿・殺菌・毛細血管強化・緩下・止血などに役立ち、常用すると胃腸が丈夫になり、高血圧・動脈硬化・脳溢血の予防や治療にも有効」とあります。

東城百合子さんの著書東城百合子さんの著書

東城さんの著書~「自然療法」シンプル生活~によると、特に腫れものの吸い出しには効果が高く、ドクダミの名のごとく「毒を出す」ということで、民間療法の万病薬として大切にされてきたんだそうです。体の老廃物を輩出させるデトックス効果があるんですね。

また別の本には(健康づくりに効果も抜群の「身近な薬草」婦人生活社)腫れもの、蓄膿症、尿道炎、利尿、便通、高血圧の予防、水虫に効果があるとあり、症状に応じて、生葉をあぶって幹部に貼ったり、煎じてお茶代わりに飲用することで健康づくりに効果を発揮すると記されていました。やっかいものどころか、私たちの暮らしに古くから役にたってきたすぐれものだったんですね。

自家製の虫刺され薬は「ドクダミチンキ」

さらにネットで調べてみると義母のように、ドクダミのもつ殺菌力を利用して、花の時期に、自家製の虫除け、虫刺され、かゆみ止め薬をつくっている方が結構いらっしゃることを知りました。

そのエキスは「ドクダミチンキ」と呼ばれています。「チンキ」とはメディカルハーブの世界では、生薬やハーブを純度の高いアルコールに漬けて、有効成分を抽出してつくる液状の製剤のことです。ドクダミの独特のあの匂いのもとである『デカノイルアセトアルデヒド』『ラウリルアルデヒド』には、菌を殺す非常に強い抗菌作用をあることが分かっていて、その成分が消炎、抗菌、排膿に役立つと言われています。

義母がつくっている手づくり虫刺され薬は、今風で言えば、メディカルハーブの「ドクダミチンキ」というわけです。前置きが長くなりましたが、義母の家の庭いっぱいに咲き誇ったドクダミの花でドクダミチンキをつくることになりました。

雑草たちが元気!元気!なかでも ドクダミの白い花がひときわ目を引きます雑草たちが元気!元気!なかでも
ドクダミの白い花がひときわ目を引きます

不二子おばあちゃんの超簡単ドクダミチンキづくり

自然由来のものが好きな義母が長年手づくりしてきたドクダミの虫刺され薬は、そのつくり方もとてもシンプルです。今年は私と夫が花を摘んで、義母に教えてもらいながらつくりました。では不二子おばあちゃん流、ドクダミチンキのつくり方をご紹介します。

このドクダミのお花がいっぱい咲いてる時期が 虫刺され薬のつくり時よ♪このドクダミのお花がいっぱい咲いてる時期が
虫刺され薬のつくり時よ♪

作り方

  1. 花を摘む
    「出来るだけ白くキレイな花を摘んできてね。」ということで、庭から今が盛りの元気そうなドクダミの花をたくさん採取しました。

    庭でドクダミの花を摘んできました庭でドクダミの花を摘んできました

    花の咲いている時期(5月~7月)は花も葉も有効成分が豊富で、薬草としての効果が高まると言われていることから、この時期にドクダミチンキをつくる方が多いようですね。路傍のドクダミを使用する場合は、出来るだけ排気ガスなどの影響を受けていないものを摘んで下さいね。

  2. 花をガラスの保存瓶に詰める
    ドクダミの花をさっと洗って、乾燥させてから保存瓶に詰める方もいらっしゃるようですが、義母は、自分の家の庭のドクダミを採取しているので、ごみや汚れを取り除く程度で、摘んだ花をそのままガラスの保存瓶に詰めていきます。

    ガラス瓶にドクダミの花を入れましたガラス瓶にドクダミの花を入れました
  3. 焼酎を注ぐ
    焼酎をひたひたになるまで注ぎます焼酎をひたひたになるまで注ぎます

    花を詰めたガラス瓶に、焼酎をひたひたになるまで注いで、ふたを閉めて日の当たらない冷暗所で保存します。

    花びらが浸かるくらい焼酎を入れて、ふたをして保存花びらが浸かるくらい焼酎を入れて、ふたをして保存

    有効成分がアルコールに溶けやすいという性質を利用して、成分を抽出して虫刺されやかゆみ止めになる液体をつくるというわけです。ガラス瓶に入ったドクダミの花は、ハーバリウム(ガラスの小瓶の花オイル漬け)みたいで、そのまま飾っておきたくなるくらいオシャレで気分も上がりました。

    花のオイル漬けみたいに…花のオイル漬けみたいに…

    花のオイル漬けみたいに…

  4. 葉っぱもチンキに
    義母は毎年、花だけでチンキだけつくっているのですが、生の葉も同様の効果があるということで、葉っぱを捨てるのがもったいなくなって、生葉でもチンキをつくってみました。

    ドクダミの葉っぱでもつくってみることに…ドクダミの葉っぱでもつくってみることに…

    葉をよく洗い、水気をとって、花と同じように、ひたひたの焼酎に浸しました。

    葉っぱも同様に焼酎に漬けてチンキに…葉っぱも同様に焼酎に漬けてチンキに…

    チンキに使用するアルコールは、焼酎よりもアルコール度数の高いホワイトリカーやウォッカなど(アルコール度35度以上)で抽出する方が多いようですが、義母は、いつもふつうの焼酎(アルコール度25度)を使ってきたそうなので、私もふつうの焼酎でつくりました。抽出が進むように、時々瓶を振って、花とアルコールがよく馴染んで、行き渡るようにしました。

  5. 1週間から2週間で使えるように…
    そのまま置いておくと、花や葉っぱの色が茶色くなってきて、液体の色も変わっていきます。これがドクダミのエキスが抽出されている証拠なんだそうです。

    10日ほど経つとこんな感じに…10日ほど経つとこんな感じに…

    アルコールに漬けてから1週間~2週間ほどで使えるようになるそうですが、1ヵ月以上置くと琥珀色になってきて、より効果が高くなるそうです。エキスが移った液体は、不思議とドクダミ特有の匂いが無くなっていて、抵抗なく使えそうです。

    琥珀色になってくると効果が高くなるそう…琥珀色になってくると効果が高くなるそう…

使い方

こうしてできたチンキを義母は小さな瓶に入れて、虫に刺されたと思ったらすぐにコットンなどに浸して塗って対処してきたそうで「不思議と赤みがひいてかゆみも治まるのよ。」とのこと。

これから夏場にかけて、虫刺され薬として大活躍するそうです。義母にとって「つくって安心、おいて安心」な天然素材の常備薬なのです。できた液体を濾して、直射日光の当たらないところに置いておくと1年から2年くらいは長期保存できるそうですから、この時期にまとめてつくっておけばとても重宝しそうです。

義母は原液のまま使っていますが、敏感肌の人などは少量から試してみて、精製水などで2~3倍に薄めて使用することをおススメします。
精製水などで2~3倍に薄めて使用することをおススメします。

チンキでオリジナルの虫よけスプレーもできた

ドクダミチンキには、虫よけの効果もあるということで、携帯用の虫よけスプレーも仕立ててみました。抽出したチンキをアルコール対応のスプレーボトルに入れて、そこにお好みの精油を1~2滴加えるとオリジナルの虫よけスプレーが完成です。私は、家にあった虫よけ効果があると言われている精油、シトロネラを入れてみました。

精油を数滴加えてオリジナルの虫よけスプレーに…精油を数滴加えてオリジナルの虫よけスプレーに…

レモンのようなさわやかな香りが広がって、テンションが上がります。殺虫しないで、虫が逃げていってくれたら、こんな嬉しいことはありません。この他にも、ゼラニウムやハッカ、ミント、レモングラス、クローブなど虫よけに利用されている精油は色々ありますから、ご自分の好みの香りを加えてつくってみたら、より楽しくなりそうです。

最初は、義母のお手伝いをするくらいの気持ちでいたのですが、この季節ならではのドクダミ仕事はことのほか楽しく、薬草への興味もわいてきました。
この季節ならではのドクダミ仕事はことのほか楽しく、薬草への興味もわいてきました。

問わず語りから見えてくるドクダミの力

ドクダミ効果のことをもっと知りたくなって、伊佐市の曾木の滝公園内にある野草薬草館(株式会社やさしいまち)の薬草アドバイザーの方にお話を伺ってみました。

ドクダミの花ドクダミの花

お話によると…
「ドクダミの花を摘んで焼酎に漬けてそれを虫刺されや虫よけに使うのは、古くから行われてきている民間療法ですよね。うちでも、そのサンプルを展示しています。ドクダミには殺菌作用がありますから、まさに暮らしの中で生まれた活用法ですね。

ここに足を運んでくださる年配のお客様から興味深いお話を伺うことがたくさんあります。『柿の葉にドクダミの生葉を包んでくべて(焼いて)その炙ったドクダミを、できものに貼っておくと、膿が出て、腫れがひくもんだったよ』とか『お母さんがドクダミ茶を飲むようになってから、不思議なことに母乳をあげていた赤ちゃんのあせもが消えた』といった話など、体験された方たちの問わず語りの中から、改めて薬草の持つ力を教えていただくことが多いん
ですよ。」とのこと。
「野草薬草は暮らしの身近にある薬箱」と教えて下さいました!
「野草・薬草は、私たちの暮らしの身近にある薬箱。野草薬草館では、毎週火曜日に野草摘みの体験や野草を使ったお料理や押し花づくりなど、野草に触れて楽しむワークショップを開催していますから、是非、足を運んでいただいて、野草薬草を利用して生かしてきた先人たちの知恵を知っていただきたいです。」と話して下さいました。野草薬草について、もっと詳しく知ってみたい方は、野草薬草館のアドバイザーにお尋ねくださいとのことでしたよ。

完成したドクダミ虫刺され薬を義母に届けました!

先日、ドクダミの花でつくった虫刺され薬を義母のもとに届けました。「あら~こんなにたくさん。とても良いのができたね。」と満面の笑顔。合格点をもらって、褒めてもらいました!

「いいのができたね~」と笑顔いっぱいの不二子おばあちゃん「いいのができたね~」と笑顔いっぱいの不二子おばあちゃん

そして「昔、こんなこともあったのよ。」と、ドクダミにまつわるこんな話を聞かせてくれました。
「敏秀(長男)がね15、16歳の頃だったから、もう50年くらい前のことだけど、『お母ちゃん、脇の下にこんなのがあるよ』と言うので、見たら、あせものような赤いブツブツがいっぱい出来ていたの。皮膚炎には、ドクダミの葉っぱが効くよって聞いたことがあったのを思い出して、近くの神社の庭からドクダミをもらってきて、試しに聞いた通りにやってみたの。

葉っぱを銀紙に包んで焼いたら、葉っぱがドロッとなるから、その葉っぱをブツブツができたところに貼って、ガーゼを当てて毎日取りかえたの。そしたら3日と経たないうちに、ブツブツが消えてね。びっくりしたよ。嘘みたいにきれいになってね。その時、あ~ドクダミってほんとに効くんだって思ったのよ。」

義母にとって、この体験がドクダミの薬効への確信となったようです。この話は、野草薬草館の薬草アドバイザーさんが話して下さったおじいちゃんやおばあちゃんたちから伝え聞いたドクダミの民間療法と重なります。科学的研究やお書物からではなく、暮らしの実体験として、先人たちが薬草の効能を体感し、活用してきたことが分かって、面白いなぁと思いました。

ドクダミさん、ありがとう!

驚異的な繁殖力でどんどん増えていくドクダミに、ほとほと疲れることがあった私ですが、こんなに素晴らしい力をもっていることを知って、見る目が随分変わりました。あの忌み嫌われているドクダミの匂いのもとに、人の健康に役立つ抗菌作用があるなんて…知りませんでした。
人の健康に役立つ抗菌作用があるなんて…知りませんでした。
「ドクダミさん、これまで匂いがきついし、はびこるし大変とばかり思っていて、ごめんなさい。とても有能で、私たちの暮らしに役立っていたのですね。今年は、お花のエキスをいっぱい頂戴いたしました!」

義母にとって、毎年ドクダミの花が咲く頃は、とても待ち遠しい季節。この時期にしか採れない自然界からのとっておきの贈り物なのです。

義母曰く…
「とっても簡単で効果テキメンですよ。ドクダミの花があちこちに咲いている今の季節、みなさんも作ってみてはいかがですか?」
今の季節、みなさんも作ってみてはいかがですか?
義母から「自分でつくったのだから、持って帰って、効果を確かめてみたら良いよ。」と言われて、今年はうちの薬箱にドクダミチンキが仲間入り。毎年、無防備に庭に出て、虫に刺されては、痛い目にあっている私ですので、今年の夏は、このドクダミの虫よけ・虫刺され薬の効果を試してみたいと思っています。

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