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「暮らし」

日置市のいちごを召し上がれ!ブランディング作戦ただいま進行中!


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「日置市のいちごを味わおうっていうツアーがあるんですけど、参加しませんか?」

以前、てのんにご登場いただいた日置市観光協会の古川安代さんからお誘いがありました。

日置市の魅力発信!バリアフリーでおもてなし!誰もが楽しめる旅を届けたい結婚を機に移り住んだ日置市にほれ込み、観光協会の職員となった古川安代さん。以前は高校の国語の先生でした。人生の様々な経験を経て見えてきた...

何でも日置市は、鹿児島県内2位のいちご産地なのに、思いのほか知られていないとか。

そこで、日置市と生産者が中心となって、いちごをPRする事業が進行中。

独自のロゴやポスター、のぼりができあがり、3月にはイベントの計画も。

今回のツアーでは、いちご狩りといちごづくしのランチで産地をアピールするというので、出かけてきました。

ウェルカムいちご!

ウェルカムいちご!

出発は、鹿児島中央駅。朝摘みのウェルカムいちごでお出迎えです。

朝摘みのウェルカムいちごでお出迎えです。

バスには、日置市のいちごのPRに関わっている1級フードコーディネーターの杉水流直子さん(Table of Smile代表)が同乗。

杉水流直子さん杉水流直子さん

「いちごって、なにより鮮度が大切なんです。品種によって味も色も食感も全然違うんですよ。鹿児島市からとっても近い日置市で、たくさんのいちごがつくられてることを、もっと知ってほしいですね。」

日置市のいちごの歴史は、1961年(昭和36年)にさかのぼります。

伊集院町中川地区で、もともときゅうりを栽培していたハウスを活用したいちご栽培がスタート。

いちごは、当時まだめずらしい作物だったこともあって生産量をのばし、一時は中川のいちごが鹿児島市場で70%を占めるまでになり、1968年(昭和43年)には東市来町でも栽培が始まりました。

ところが、1970年代後半に入ると、産地間の競争が激しくなったり、生産者の高齢化がすすんだりして、栽培農家は次第に減少。

それでも2017年(平成29年)現在、日置市は志布志市に次ぐ県内2位のいちご産地(栽培面積)です。

伊集院町と東市来町の生産者でつくる「日置市いちご部会」では、さがほのかをはじめ、さつまおとめ、べにほっぺなど、さまざまな品種を育てて出荷しています。

バスは、伊集院町の都市農村交流施設チェスト館へ。

バスは、伊集院町の都市農村交流施設チェスト館へ
様々な品種のいちごが並びます様々な品種のいちごが並びます

チェスト館では、敷地内のハウスでいちご狩りができますが、今日のところはお買い物だけ。次の目的地に出発です。

ちょっと寄り道オリーブ農園へ

およそ600本のオリーブ畑およそ600本のオリーブ畑

到着したのは、なぜかオリーブ畑。

じつは日置市では、2013年から本格的なオリーブ栽培に取り組んでいて、2018年には、初めて日置市産のオリーブオイルを生産。

栽培に協力している市民のオリーブも合わせると、日置市内でおよそ6000本が育てられています。

日置市観光協会の古川さんによると、今ではオリーブのまちというイメージを持つ人が多いとか。
知名度では、いちごよりちょっと先輩のオリーブにも寄り道、というわけです。

さし木で苗を増やしますさし木で苗を増やします
東市来町に2018年に完成した搾油施設。直売店も東市来町に2018年に完成した搾油施設。

直売店も

栽培に携わっている日置市農林水産課の堀之内洋久さんが、オリーブについて教えて下さいました。

堀之内洋久さん堀之内洋久さん

「オリーブは、明治の終わりごろ、香川、三重、鹿児島で栽培された歴史があるんですけど、うまくいったのは香川の小豆島だけ。リベンジのつもりで、2万本を育てることを目標に頑張ってます。」

ただ、オリーブは風に弱く、台風の多い鹿児島での栽培は一苦労。平成27年の台風では、9割のオリーブが、飛んで行ったり倒れたりしました。

「きついですよ。夏場は体重が4~5㎏減ります。でも、やりがいがあるし、楽しいです。今はちょうど剪定の時期。オリーブの木それぞれに個性があるので、それを見極めながら剪定するのが、実をたくさんつけさせるポイントです。オリーブを育てて下さっている市民のみなさんと情報交換しながら、試行錯誤でやってます。」

話しだしたらオリーブ愛がとまらない堀之内さんに見送られて、バスはいよいよいちご狩りへ。

いちご農家の思い

東市来町美山の片平観光農園に到着です。

東市来町美山の片平観光農園に到着です。東市来町美山の片平観光農園に到着です。

ここでは、さつまおとめとさがほのかを栽培していて、年間およそ1万人が訪れるそうです。

1番人気はさつまおとめ。代表の片平清美さんによると、粒が大きくて糖度が高く、完熟すると桃のような独特の甘みが出て、県外からのお客さんにも人気だそうです。

「みなさん、あまおうよりおいしいっておっしゃいますよ。私もそう思います。病気に弱いので、作ってるところはあまりないんですよ。」

さつまおとめ(左)とさがほのかさつまおとめ(左)と
さがほのか

代表の片平さんは、脱サラしてイチゴ栽培を始めて今年で36年、観光農園を始めてからは25年になります。

片平清美さん片平清美さん

「もともと父が農業をしてたんですけど、心筋梗塞で倒れて、あと1週間の命といわれるなか、あとを継ぐことを決めたんです。いちご栽培の規模は小さくて、ゼロからのスタートでしたよ。生活のためにメロンにチャレンジしたり、いろいろしましたけど、7,8年かけてやっと、いちごの観光農園を開くことができました。そこからが、また大変。いちご特有の病気にかかって、全滅したこともありました。」

お客さんの多い日と、いちごの採り時をいかに合わせるかという、観光農園ならではの難しさにも向き合いながら、いちごを作り続けてきた片平さん。

今は、若い後継者を育てることにやりがいを感じています。

「いちご部会の東市来のメンバー8人のうち、5人が70歳以上です。あと5年もしたら、私も含めてやっていけるかどうか。何とか頑張って、今のうちに後継者を育てる、それが私の役目だと思ってます。」

いま、20代の若者6人が、片平さんの農園で働いています。

おいしいいちごは、作っている人がいてこそ味わえる。そんなあたり前のことを実感しつつ、いよいよいちごづくしランチへ。

驚きのいちごづくしランチ

ランチは、日置市伊集院町のレストランESPRE(エスプレ)にて。

シェフが、品種によって異なるいちごの個性を吟味し、相性のいい食材と組み合わせ、食べる順番にも気を配って、いちごを存分に味わえるメニューを考案しました。

いちごを存分に味わえるメニューを考案しました。 苺料理 苺料理

さがほのか、べにほっぺ、さつまおとめにぴかいちご、そして熟す前の青いいちごと花まで、まさにいちごづくしのお料理。

思いがけない味わいに、驚きの連続でした。

日置のいちごを召し上がれ!

日置市では、3月2日に「100人でいただきますinいちご畑」と題したイベントが開かれます。

1級フードコーディネーターの杉水流さんがプロデュース、いちごの食べ比べやいちご狩りが楽しめるほか、この日のための限定スイーツなどが味わえます。

食べ比べには、この1月に名前が決まったばかりの新品種「ぴかいちご」も登場する予定。

今回のイベントにランチはありませんが、この機会に、日置のいちごのいろんな魅力を体感してみてはいかがですか。

100人でいただきますinいちご畑

日時:3月2日(土)10:30~14:00
場所:日置市伊集院町中川224-4池田農園 現地集合
参加費:お一人様2,000円(いちご狩り、ティーパーティー・保険代含む)
申し込み:メールまたはFAXにて先着順に受付

日置市農林水産課
Eメール:hioki-itigofes@city.hioki.lg.jp
FAX:099-273-8877
※代表者氏名(ふりがな)、参加人数(年齢)、携帯電話番号、メールアドレスを記載のうえお申し込みください。

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