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「暮らし」

九州北部豪雨から10か月 シリーズ4 くつろぎの空間「林檎と葡萄の樹」


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昨年の九州北部豪雨で、被害の大きかった福岡県朝倉市の山田交差点を、山の方に上った高台に「林檎と葡萄の樹」という素敵なお店があります。

林檎と葡萄の樹林檎と葡萄の樹

アップルパイが有名なお店で、前から一度行ってみたいと思っていたのですが、今回、豪雨でお店は大丈夫だったのか、お話も伺いに訪ねました。

櫻木啓二専務櫻木啓二専務

「林檎と葡萄の樹」の櫻木啓二専務にお聞きしました。
「当日は、雨がとにかくすごかったですので、建物の間を通る道に濁流が川のように流れ、少し低くなっている店舗の厨房内に流れ込み、コンクリートの床が20センチほど浸水しました。」

この細い道を濁流が流れたこの細い道を濁流が流れた

「しかし、私達の所は、高台にありますので、幸い大きな被害は受けませんでした。そこで、災害から一週間後には、お店を再開することができました。」

災害直後の朝倉市山田交差点付近          (写真提供 三連水車の里 あさくら 櫻木 和弘館長)災害直後の朝倉市山田交差点付近
(写真提供 三連水車の里
あさくら 櫻木 和弘館長)

「しかし、私達の店に来ていただくために通る山田交差点付近が大変な災害を受けていましたので、半月ほどは、ほとんどお客は来ませんでした。その時はやはり苦しかったですね。

その間は、福岡市の博多座などでアップルパイを販売し、復興支援という事で、多くのお客様に購入していただきました。本当にありがたかったです。」

その後、通行止めになっていた朝倉市内の道路も次々と復旧し、それに合わせて、徐々にお客が増え始めました。
今では、従来通り、連日多くのお客でにぎわっています。

連日多くのお客でにぎわっています連日多くのお客でにぎわっています

では、ここで、「林檎と葡萄の樹」の人気のメニューをご紹介しましょう。
まずは、

「アップルパイ。」

アップルパイアップルパイ

隣接する果樹園で栽培しているリンゴを使って、手作りで作られています。
リンゴがたっぷり詰まった作りたてのアップルパイが評判で、わざわざこのアップルパイを食べに遠方から来られるお客さんもいるそうです。

他にも少し珍しいメニューもあります。
大きくカットしたリンゴがごろっと入った「リンゴカレー。」

リンゴカレーリンゴカレー

カレーの辛さと、甘いリンゴの食感が上手く溶け合い、とても美味しくいただきました。

りんご庵りんご庵

この他、敷地内には、「りんご庵」というパスタとピザが食べられるレストランもあります。

こちらが、「ピザのセット。」こちらが、
「ピザのセット。」

ピザの具にも、リンゴの甘煮が使われている

ところで、ここの魅力は他にもあります。
レストランの隣にリンゴやブドウの果樹園が広がっていて、ほとんど一年中、果実狩りを楽しむことが出来るのです。

ほとんど一年中、果実狩りを楽しむことが出来るのです。ほとんど一年中、
果実狩りを楽しむことが出来るのです。

まずは「いちご狩り」。5月中旬まで楽しめます。
ビニールハウスの中に、「べにほっぺ」「さがほのか」「とちおとめ」「あきひめ」の4種類のイチゴが植えられています。

「べにほっぺ」「さがほのか」「とちおとめ」「あきひめ」の4種類のイチゴ「べにほっぺ」「さがほのか」「とちおとめ」「あきひめ」の4種類のイチゴ「べにほっぺ」「さがほのか」「とちおとめ」「あきひめ」の4種類のイチゴ

私は4月に体験しましたが、真っ赤に色づいたイチゴがたわわに実り、どれを採ろうか迷いながら、ワクワクした気持ちで収穫しました。
「いちご狩り」は、12月~5月中旬まで楽しめます。

この他の果実狩りの情報です。
「ブドウ」と「リンゴ」狩り・・8月中旬から10月末ごろまで
「いちじく」狩り・・8月中旬から10月初め頃まで
「柿」狩り・・10月末から11月一杯

緑に囲まれた豊かな自然の中で、果実狩りを楽しんだり、レストランでゆっくりとした時間を過ごしたり、「林檎と葡萄の樹」は、心が癒されるような、くつろぎの空間でした。

「林檎と葡萄の樹」

九州北部豪雨から10か月

今回、はじめて朝倉を訪ねましたが、まだ各地に災害の爪痕が残っていました。
そして、つらい経験をされながらも前を向いて頑張っている方たちがいらっしゃいました。
また、美しい景色や、歴史を感じる場所など、魅力的な所がたくさんある事もわかりました。

朝倉市 甘木公園・・福岡県屈指の桜の名所朝倉市 甘木公園・・
福岡県屈指の桜の名所
朝倉市 三連水車 6月17日稼働開始予定朝倉市 三連水車
6月17日稼働開始予定

(写真は災害前の2016年に撮影したもの)
(写真提供 三連水車の里 あさくら 櫻木和弘館長)

一方で、仮設住宅で暮らすなど、災害前の日常の暮らしを取り戻せていない方も多くいらっしゃいます。
たくさんの方に足を運んでもらう事が、朝倉の復興支援につながることはもちろんですが、まずは、私たちが、日々の暮らしの中で、被災地に思いを寄せる、被災地の事を忘れない、その気持ちを持つことが大事ではないかと思います。

また、三連水車が回り、リンゴ狩りやブドウ狩りが楽しめる時期に朝倉を訪ねたいと思います。

長年子どもたちの図書と関わってきた大黒恂子さん
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