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今年も活弁シネマライブが鹿児島にやって来る!11月5日、6日、8日に開催!


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去年11月、鹿児島で初めて開催された活弁シネマライブのことを「てのん」でご紹介しました。活弁とは、無声映画にライブでセリフや語りをつける日本独特の話芸です。

昨年のライブが好評で、今年もまた鹿児島公演が決まり、11月5日は鹿屋市、6日は肝付町、11月8日は鹿児島市で開催されることになりました。昨年同様、活弁士として第一線で活躍する佐々木亜希子さんと活弁ライブの生演奏でも定評のあるピアニスト永田雅代さんとの名コンビによる活弁ライブ、どんな舞台になるのでしょうか。

活弁ライブの楽しさを全国で伝え続ける活弁士と楽士の名コンビ

昨年の鹿児島市で開かれた活弁シネマライブの取材にお邪魔した時にお会いした活弁士の佐々木亜希子さんと楽士の永田雅代さんです。コンビを組んでもう20年になるそうで息はぴったり。ふたりのレパートリーは150作品に及ぶと言います。
。コンビを組んでもう20年になるそうで息はぴったり。ふたりのレパートリーは150作品に及ぶと言います。
佐々木亜希子さんは、現在日本に20人ほどしかいない活弁士(活動写真弁士)で、今、最も活躍するひとりと言われています。もともとアナウンサーだった佐々木さんですが、無声映画を解釈し、自分でセリフや台本をつくり、自らの話芸で演じる活弁士に魅せられ、その魅力を今に伝える活動を牽引してきました。年間80~100ものステージで口演しています。

佐々木さんの良き相棒の永田雅代さんは、多種多様なジャンルのアーティストと共演するピアニスト、音楽プロデューサーとして活躍しています。その一方で、映像、セリフ、語りに合わせて、自らの感性で音を奏でる活弁ライブの臨場感に魅せられ、楽士としてこれまで全国500公演ものステージに立ってきました。今回の鹿児島公演も、このおふたりの共演となります。

この楽しさは、行ってみなきゃ分からない

佐々木さんも永田さんも、「活弁ライブの楽しさは、体感してみないと分らない」と口をそろえます。私も、昨年、鹿児島市で開かれた活弁シネマライブで初めて触れてみて、そのことを実感しました。それまで恥ずかしながら、活弁のことも、活弁士のことも知らなかった私ですが、幕が上がるやいなや、一気にその世界に引き込まれました。

昨年、鹿児島市で開催された活弁シネマライブ昨年、鹿児島市で開催された活弁シネマライブ

7色の声を持つと言われる佐々木さんの変幻自在の声は、まさに神業。それに合わせて絶妙なタイミングで永田さんの生演奏が入り、サイレント映画が生き生きと動き出し、新しい命が吹き込まれていく感じがしました。会場は笑いあり、涙ありで、どこか懐かしく、あたたかい雰囲気に包まれていました。この時は、チャップリンの短編喜劇と小津安二郎監督の長編映画の名作が上映されました。活弁シネマライブの魅力はほんと「行ってみなきゃ分からない」なのですが、昨年の上映作品「チャップリンの消防夫」の中からほんの一部ですが、お聴き下さい。

少しだけ活弁シネマライブの雰囲気が伝わってきましたか?活弁士の佐々木さんの語りも、その日、その時のお客さんの反応に合わせて臨機応変に変化していくんだそうで、楽士の永田さんの生演奏もそれに合わせて即興で変化していきます。同じ演目でも、一つとして同じステージにはならないんだそうで、お客さんと一体となる臨場感がこのライブの醍醐味だそうです。佐々木さんに昨年の鹿児島公演での反応を伺ったところ「鹿児島のお客さん、とても乗りが良かったですよ。」と嬉しそう。

活弁士の佐々木亜希子さん活弁士の佐々木亜希子さん

「今年は、また一段と楽しい演目を準備しましたので、是非、100年前の作品世界と活弁の面白さを体感しに来て下さい。」とメッセージをお寄せいただきました。

今年は鹿屋、肝付町、鹿児島市の3ヶ所で開催されます。

~活弁と生演奏で楽しむサイレント映画~活弁シネマライブin鹿児島、今年は県内3ヶ所で開催されます。

  •  11月5日(日)鹿屋市 陶芸の里あすかでの開催
    楽士の永田さんが鹿屋市の出身というご縁で、鹿屋市(花岡町)の陶芸の里あすかで、午前と午後の2回、開催されます。出し物は、ハロルド・ロイド喜劇の傑作と言われるサイレント映画「要心無用」と日本喜劇の王様、斎藤寅次郎のドタバタコメディ「モダン怪談 100,000,000円」の2作品。どちらも名作中の名作です。
    ※ 詳しい内容、お問合せ先はこちらをご覧ください。
    11月5日(日)鹿屋市 陶芸の里あすかでの開催
  •  11月6日(月)肝属郡肝付町 天上会ふれあいホールで開催
    障がい者のみなさんと一緒に楽しむライブも実現することになりました。
    もともと活弁シネマライブは、老いも若きも、障害がある人も、ない人も、一緒に楽しむことが出来るバリアフリーなエンターテインメントと言われています。今回は、6つの障がい者施設を持つ肝付町の社会福祉法人天上会での上映会が実現しました。一般のみなさんも入場料500円で参加することができるそうです。誰に対しても垣根をつくらない活弁ライブがどんな風に伝わるのか楽しみです。
    ※ 詳しい演目や、お問合せ先はこちらをご覧ください。
    11月6日(月)肝属郡肝付町 天上会ふれあいホールで開催
  •  11月8日(水)鹿児島市 鹿児島県歴史・美術センター黎明館で開催
    チャールズ・チャップリンのドタバタコメディ「チャップリンの冒険」と時代劇スター片岡千恵蔵の代表作「番場の忠太郎 瞼の母」の2作品が上映されます。瞼の母は、これまで何度も映画化されていますが、中でもこの片岡千恵蔵の瞼の母は、素晴らしいと言われています。コメディあり、人情ものありで、見ごたえ、聴きごたえたっぷりのライブになりそうです。
    ※ 詳しい内容、お問合せ先はこちらをご覧ください。
    11月8日(水)鹿児島市 鹿児島県歴史・美術センター黎明館で開催

~昭和レトロが新しい~「活弁」は日本が誇る話芸文化

無声映画全盛期(大正から昭和初期)には、全国に8000人ほどいたという活弁士は、発声映画(トーキー)の出現で激減しました。職業弁士の多くが消え、映像世界は、よりデジタルに、多彩な色と音で溢れています。だからこそ、モノクロやサイレントの世界が、とても新鮮で心に染みてきます。

無声の世界を「話芸」と「音楽」でクリエイティブに紡ぎ出す「活弁ライブ」はシンプルだけど、現代を生きる人たちの心に響く新しいエンターテイメントとしての力を持っているように感じました。全国各地を走り回りながら、日本の語り文化「活弁」を伝え続ける佐々木さんと永田さんの鹿児島公演、お客さんとの間にどんな泣き笑いが生まれるのか、とても楽しみです。

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