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鹿児島県ビジネスプランコンテスト 審査員の横顔 鹿児島県信用保証協会 内村大作さん


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鹿児島から生まれる新しいビジネスを後押しする鹿児島県ビジネスプランコンテスト。今年度の参加者を募集中です。(9月30日(水)17時必着)

チャレンジを考えていらっしゃる方々の力になればと、シリーズで4人の審査員の方々のインタビューをお届けします。

起業支援のスペシャリストや起業家はこれからのビジネスに何を期待しているでしょうか?4人の横顔と共にお伝えします。第1回は資金調達をサポートするプロフェッショナル、鹿児島県信用保証協会の内村大作さんです。

zoomインタビューを動画で見る

資金調達をサポートするプロフェッショナル

 

ビジネスを資金面からサポートするスペシャリスト

ビジネスを事業化していくためには、事業を立ち上げるのにどのくらいの資金が必要で、その資金をどこからどのように調達し、事業をどうやって軌道に乗せていくのかといった資金計画を立て、その収支を具体的な数字に落とし込んでいくことが必要です。

ビジネスをしたいと思っている人にとって、この「お金」の問題は切実で、専門家から適切な助言やアドバイスがほしいところです。今年度のビジネスプランコンテストでは、資金面からビジネスを見ていただける専門家として、鹿児島県信用保証協会の内村大作さん(経営支援部 経営・承継支援課 課長)をお迎えすることになりました。

内村さんは、鹿児島県信用保証協会に入協して28年。これまで中小企業の資金繰りや創業支援、経営指導などの数多くの経営支援の現場に携わってきました。

鹿児島県信用保証協会ってどんなところ?

鹿児島県ビジネスプランコンテスト 審査員の横顔 鹿児島県信用保証協会 内村大作さん鹿児島県信用保証協会 経営支援部 経営・承継支援課 課長
内村大作さん(中小企業診断士)

Zoomインタビューでは、まず内村さんがいらっしゃる鹿児島県信用保証会は、どのようなことをしていらっしゃるところなのかを教えていただきました。

「信用保証協会は、信用保証協会法という法律に基づいて、中小企業や小規模事業者などの金融の円滑化を図るために設立された公的機関です。事業を営む方々が、金融機関から資金を調達する際に、保証協会が信用保証することで、資金調達をサポートしているんです。

金融機関から借り入れをしようとしていらっしゃる方の保証人になるという立場です。創業する際には、自己資金だけでは難しいという方も多いですから、保証協会の保証を通じて、金融機関から融資を受けるという場合も多いですよね。」

金融機関との橋渡し役

大企業に比べて中小企業や起業予定の人などは、金融機関から融資を受けようとする際、資金調達がスムーズにいかないことが多く、事業資金を工面するのに苦労することが多いそうです。こんな時、信用保証協会が公的な保証人となり信用保証(保証承認)を行うことで、融資を受けやすくなり、資金繰りの円滑化が図れるのです。

金融機関との橋渡し役となって鹿児島のビジネス発展を支える (金融機関の研修会に講師として参加)金融機関との橋渡し役となって鹿児島のビジネス発展を支える
(金融機関の研修会に講師として参加)

「信用保証」という制度は、金融機関が協会の信用保証に基づいて融資を行い、協会はその対価として信用保証料を借り手の事業者から得るという制度で、長年、地域の事業発展を支えてきました。

信用保証協会は全国に51ヶ所ありますが、中小企業が多い鹿児島(53,000)では、中小企業のおよそ4分の1に当たる13,000の企業が保証協会を利用しています。令和元年度の保証承認件数は5,617件、保証金額は599億円に及び、地域に密着して活動を行う公的機関としてビジネスの発展を下支えしています。

金融機関との橋渡し役となって鹿児島のビジネス発展を支える (金融機関の研修会に講師として参加)金融機関との橋渡し役となって鹿児島のビジネス発展を支える
(金融機関の研修会に講師として参加)

創業支援のプロは、ビジネスプランのどこに注目しているのか?

内村さんは、創業の保証を行う部署にいたこともあり、事業計画書や本人との面接を通して、保証の諾否を決定するというシビアな現場にも携わってきました。さぞかし厳しい審査の目があるのかとお尋ねしてみたところ…

「そんなことないですよ。(笑)僕はどちらかというと中小企業者目線なので。例えば売り上げが1000万円しかないのに、1億円貸してくれって言うのはおかしな話ですよね。適切で的をえた資金であれば審査し、保証します。」

あくまで創業にチャレンジする方や創業したばかりの方を支援する立場から、ビジネスとしての可能性や適切な資金計画かを見極め、公平な審査を行い、保証へと繋げていく姿勢です。

内村さんは、事業を展開する上で資金は、人間が生きていく上で必要な血液のようなものだと話します。「金融機関との間に立って、ここぞという時に、迅速でタイムリーな資金調達ができた時に、この仕事のやりがいを感じます。」とプロとしての誇りを覗かせます。

保証協会では、資金調達ばかりでなく、創業サポートチームによる創業計画へのアドバイスやフォローアップ訪問なども無料で行っていて、その後の支援も行っています。

内村さんは、応募者のビジネスプランのどこに注目しているのでしょか?

「コンテストとは言うものの、実現の可能性があるものであるかという点は大事ですよね。夢物語ばっかりでも意味がないでしょうし、実現可能性と新規性の両面(両立)ですよね。こちら側がハッとするような新規性、先見性にも期待したいですし、実現可能性という面でいえば、売り上げが果たして(このプランで)可能になるのか、そういうところを見ていくことになるのではないかと思っています。」

コロナ禍の中でのビジネスにどんなことを期待しますか?

「今、生活様式が変わっていく最中。今後どう変わっていくのか分かりませんが、もしかしたら、そこもビジネスチャンスなのではないか。こういう状況だからこそ、新たな着眼点や色んな目線での新しいものが生まれる可能性もあると思います。(コンテストで)そういう目で見た新たなビジネスが出てきたら面白いと思います。僕らが思いつかないようなアイディア(のプラン)が出てきたら面白いだろうなぁと思います。」

これからのビジネス、生き残っていくためには何が必要なんでしょう?

「今回のコロナもそうですけど、時代とか、その場、その時の時世の情報網を広げて、色んなことに気づき、フレキシブルに対応していく、そういうことが重要なのかなぁと思いますね。あまり格式張ってもダメでしょうし、ブレてはいけないところは、ブレないでいることも大事。その上で、環境に素早く対応できるフレキシブルさでしょうか。」

一歩を踏み出す力になりたい

鹿児島県信用保証協会のキャッチフレーズが「一歩を踏み出す力になりたい」
その言葉通り、県内事業者の強い味方でありたいと様々な支援を行っています。

若い人の創業マインドの醸成や金融リテラシー向上を目的とした 大学での出張講義を開催(鹿児島国際大学にて)若い人の創業マインドの醸成や金融リテラシー向上を目的とした
大学での出張講義を開催(鹿児島国際大学にて)

 

地域おこしプロジェクト地域おこしプロジェクト

信用保証協会利用のメリット

(鹿児島県信用保証協会・創業者のための保証制度のご案内より)

  • 借入枠の拡大が図れます
  • 原則として第三者保証人は不要です
  • 無担保での利用が可能
  • 鹿児島県、鹿児島市の融資制度が利用可能
  • 長期の保証で資金繰りをサポート
  • 各種支援サービスが無料で利用可能

ビジコンにチャレンジすることで、信用保証協会とのご縁が出来て、ビジネスがより実現性の高いものへと繋がっていく可能性もあるんじゃないでしょうか?

「そうですね。我々の信用保証を通じて(金融機関と繋がって事業が前に進んでいく)そういうこともあるかもしれないですね。」

今回のビジコンに期待することはどんなことですか?

「アイディアというのは10人いれば10通りあるわけで、応募される方々の可能性は無限大ということです。それを我々が助言、アドバイスすることで、応募したものが、本当に事業としてビジネスとして成立していけば、それが最高の結果なんじゃないでしょうか。格式張った固定観念だけではなく、自由な発想で思いついたこと、考えついたことを応募していただけたらと思います。」

資金面に強い専門家として審査員に加わって頂いた内村さんですが、新しく興す事業が成功する鍵として経営者の「熱意」や「気持ち」をあげて下さったことが新鮮でした。

これまで数々の事業計画書に当たってきたプロならではの目利きでこんな話をして下さいました。
「あ~これは融資を得るために書いたもの(事業計画書)だなぁとか分かります。杓子定規といいますか。私たちが(信用保証の審査をする時には)原則的に本人にお会いしますので、そこで経営者の熱を感じることが出来ます。今回のコンテストも最後はプレゼンがあるので、その場で応募された方の熱意や思いを感じることができるのではないかと思っています。経営する方の気持ち、ハート、これは大事だと思います。」

エンドユーザーを意識したビジネスプラン

最後に、ビジネスモデルを描く上で大切な視点をお伺いしました。

「どんなビジネスにも、最終的なエンドユーザーが存在するはず。自分のビジネスのターゲットはどこなのか。誰にどんなものを売りたい、どんなサービスを提供しようとしているのか。最終的なエンドユーザーのことを考えた上でビジネスプランを描いていくと、良いものが出来上がると思いますよ。」

「誰に向かって何をしようとしているのか」ビジネスとしての芯をはっきりさせていくことの大切さを教えて下さいました。

さいごに

「やりたいビジネスを、どう形にして、実現可能性の高いものへと切り拓いていけばいいのか」ビジネスを志す人たちにとって共通の課題です。長年ビジネス支援の現場に関わってきた内村さんだからこそ見えてくる豊富な経験を存分に発揮して、鹿児島から生まれるビジネスの原石の磨き上げにお力を貸して頂きたいと思いました。

※ 鹿児島県信用保証協会では、経営支援に役立つ情報を随時配信しています。

中小企業者及び金融機関・商工団体の皆さまを対象に、保証制度や経営支援情報等の役立つ情報を発信してまいりますので、ぜひ「友だち登録」をお願いいたします。

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