鹿児島の家には、昔から夏になると軒先にヘチマやニガウリが植えられてきました。夏の暑い日差しを遮る緑のカーテンとしての活用はもちろん、実を味噌炒めや味噌汁にして食べたり、乾燥してタワシにしたり、ヘチマ水を化粧水にしたり、幅広く活用してきました。
夏の暑い盛り、鹿児島では、家の軒先にヘチマやニガウリが植えられているのは当たり前の光景でした。
ヘチマは「夏に食べるもの!」と思って育ちましたが、県外での学生時代、友人との会話の中で「えっ?ヘチマを食べるの?タワシにするんじゃないの?」と言われ、その反応にとても驚いたことを覚えています。
ヘチマは、江戸時代に中国から渡来してきたとされ、日本では主に沖縄や南九州で食べられているそうです。食べるという習慣がない方たちも多くいることを学生時代初めて知りました。

季節は少しずれましたが、ヘチマの活用法をご紹介します。
ヘチマの実を食べる!
ヘチマのみそ炒めやソーメンの汁は、鹿児島の夏の定番料理です。
ヘチマのみそ炒め作り方
- 30センチほどの長さになったら、ヘチマを収穫する。
- ヘチマの皮をむく。・・
皮は硬いですが、皮をむくとやわらかで白い実が出てきます。それを乱切りにします。
- ヘチマと豚肉を炒める・・
鍋に油を少量注ぎ、豚肉を炒めた後ヘチマを入れ、味噌と砂糖そして少量の醤油で味付けする。
- ヘチマのみそ炒めの出来上がり・・
ヘチマはナスの食感に似ていますが、ナスよりトロンとした食感です。
ソーメン汁・・鹿児島のお盆の精進料理にも出されます
- ソーメンは別に茹でておきます。
- ヘチマは皮をむいて輪切りにします。
- だし汁、塩、しょうゆなどで味付けした澄まし汁の中に、輪切りにしたヘチマを入れて煮ます
- ヘチマに火が通ったら、器にソーメンを入れ、その上からヘチマと澄まし汁を注ぎます。お好みでネギやミョウガをのせます。
こうして、夏の食卓に欠かせないヘチマですが、3~4本は収穫せずに完熟して枯れるのを待ちます。
ヘチマでタワシを作る!!
タワシを作るためにとっておくヘチマです。
ヘチマの皮がだんだん黄色から茶色になってきたら採ります。そして、2~3カ月乾燥させます。
水分がなくなったら皮や中の種をパンパン叩いて取り除きます。そして、汚れなどを取り除くために一度きれいに洗って乾燥させます。
今年のヘチマでは、まだタワシは出来ていませんが、これは去年のヘチマで出来たものです。

これを切って、お風呂でかかとなどを擦るタワシとして、また、鍋や流し台を洗うタワシなどとして活用します。

この他、ヘチマの活用法として欠かせないのはヘチマ水を化粧水にすることです。
この活用法については次回、岡留記者がお伝えします。
