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「ぶらり旅」

コスモスとそばの花が美しい秋の大隅半島へ


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夏があまりにも暑くて長かったせいか、今年の秋はことのほかさわやかに感じられます。やっとやってきた過ごしやすい季節、広々としたところで心やすらぐひとときを過ごしたくなります。志布志市有明町に「コスモスロード」と呼ばれる場所があると聞きました。ふだん薩摩半島で暮らしていると、大隅半島へはなかなか出かける機会がありませんので、訪ねてみることにしました。

看板にいざなわれて

車でどこかへ出かけるときは、のんびり一般道でということが多いのですが、秋は日が暮れるのが早いので、早起きをして、高速道路にのって志布志市有明町へと向かいました。目的地より少し手前の大崎インターで降りて国道220号線を走っていると、大崎町菱田のあたりで「←コスモス畑」という手書きの看板が目につきました。ちょっと気になったので、寄り道することにしました。細い路地をいくつも曲がっていくと、ふいに視界が開けて、コスモス畑が広がっていました。そばの白い花も咲いています。

細い路地をいくつも曲がっていくと、ふいに視界が開けて、コスモス畑が広がっていました。そばの白い花も咲いています。

コスモスはまだ3分咲きくらいでしたが、そばの花は満開といったところで、よく見ると実になり始めている花もありました。

コスモスはまだ3分咲きくらいでしたが、そばの花は満開といったところで、よく見ると実になり始めている花もありました。
そばの花そばの花
よく見ると実になっている花もよく見ると実になっている花も

あぜ道を歩いていると、バッタがキチキチッと羽音をたてて方々に飛び出します。空には、ゆっくりと円を描いて飛ぶトンビたち。辺りはとても静かです。風が匂いを運んできて、コスモスやそばの花にそれぞれ香りがあることを教えてくれました。

空には、ゆっくりと円を描いて飛ぶトンビたち。辺りはとても静かです。風が匂いを運んできて、コスモスやそばの花にそれぞれ香りがあることを教えてくれました。
思いがけない美しい風景に出会えたのは、手作りの看板のおかげです。コスモス畑に着くまでも細やかに道しるべが施されていて、畑を手入れしていらっしゃる地域の方々の気持ちが伝わってきました。コスモス畑の入り口にある、在郷自治公民館の敷地が駐車場になっていて、数台分のスペースがあります。コスモスの見頃は11月末くらいまでとの案内ポスターがありましたので、しばらくは楽しめそうです。

コスモスロードへ

大崎町菱田のコスモス畑をあとにして、志布志市有明町野井倉のコスモスロードへ向かいました。農家の方々が収穫後の水田にコスモスを育てていて、県道63号線沿いのおよそ2㎞が1,000万本ほどのコスモス畑になるのだそうです。今年は9月下旬に種まきが行われたようですが、どのくらい咲いているのか楽しみです。

志布志市有明町野井倉のコスモスロードへ向かいました。

残念ながら、まだ1分咲きというところでしたが(11月3日の様子です)、緑のなかにピンクや白、赤紫のコスモスの花がちらほら揺れているのもきれいです。

残念ながら、まだ1分咲きというところでしたが(11月3日の様子です)、緑のなかにピンクや白、赤紫のコスモスの花がちらほら揺れているのもきれいです。

■ コスモスロードの開花状況については、志布志市観光特産品協会のホームページ

 

■ インスタグラム

 

に随時掲載されていますので、満開を楽しみたい方は、事前に確認してから出かけるとよいかもしれません。

育てる人あってこその風景

コスモスを見ようと出かけて、物産館や道の駅にも立ち寄りながら、大崎町や志布志市有明町、曽於市大隅町などを走りました。道の両側に広がる農地には、そばの花がまぶしいくらいに真っ白に咲き満ちていたり、青々としたキャベツや白菜が小さく葉を巻き始めていたり、今しか見ることのできない風景がありました。よく耕された畑の土の色も美しくて、育てる人あってこその豊かな景色が心にしみました。猛暑からの、このところの季節はずれの暖かさが気になります。もうそろそろ、いつも通りに秋が深まっていきますように。

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