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「ぶらり旅」

獣医師さんは芸術家「どこに行くんだ鶴田惠士」展はワクワクがいっぱい


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鶴田惠士さんは、鹿児島市の動物病院の院長先生。ひょんなことから絵を描き始めて20年あまり、心の赴くまま自分がワクワクするものを形にしてきました。動物たちや自然の風景、人間の顔など様々なテーマを、絵画だけでなく立体的な手法で表現しています。鹿児島市直木町のもみじ山美術館で開かれている作品展では、鶴田さんが生み出したおよそ150点の作品に出会うことができます。その展示の仕方が、ちょっと面白くて楽しいんです。

林の中で作品に出会う

もみじ山美術館は、モミジの林の小高い場所にたたずむ小さな美術館です。静かな小道をしばらく歩いた先にあるのですが、その道すがら木陰に座ってこちらを見ているゴリラの姿を見つけました。鶴田さんの作品です。

鶴田さんの作品です。
こちらにもこちらにも

苔に遊ぶシマウマたち。サイもキリンもいます。

鶴田さんの作品です。 鶴田さんの作品です。 鶴田さんの作品です。

あちこちに姿を見せる動物たちのなかには見たこともない不思議な動物もいて、静かだと思っていた林のなかが、なんだかにぎやかになってきました。

鶴田さんの作品です。

動物たちに交じって、ひとの顔のお面がひょっこりあらわれてびっくり。

鶴田さんの作品です。 鶴田さんの作品です。

すっかり楽しい気分になってしまいました。

鶴田さんは熱中すると止まらない!

鶴田惠士さんが絵を描き始めたのは50歳のとき。きっかけは、動物病院の診療を終えた昼休みに、テレビで見た絵手紙講座でした。
「ああ、きれいだなあって思ったんです。そのあと、ゴルフの本を買いに本屋さんに行ったときに、たまたまその絵手紙講座の本を見つけました。偶然の出会いですよね。」
本を購入し、さっそく絵手紙を書き始めた鶴田さん。月に一度、友人たちに自作の絵手紙を送るようになりました。
「6,7年続けたんだけど、たまに送らなかったら、今月はなんでなかったのって言われてね。ああ、ぼくの絵を待っててくれる人がいるんだとうれしくなりました。」

鶴田惠士さん鶴田惠士さん

やがて描きたい思いが絵手紙では収まりきれなくなって、大きな作品を手がけるようになりました。

美術館の入り口に展示されている鶴田さんの作品美術館の入り口に展示されている鶴田さんの作品

今夢中になっているのはお面作り。長島町の「ながしま造形美術展」で出会った幼稚園児の案山子に触発されて、これまでにお面を100点ほど作りました。ひとつとして同じ顔はありません。

今夢中になっているのはお面作り。

木のフレームのなかに、木で作った背景や動物などを重ねて立体的に仕上げる作品にも取り組んでいます。

今夢中になっているのはお面作り。 今夢中になっているのはお面作り。

「面白いと思うものを、全部自分で考えて作るんです。熱中すると止まりません。次に何を描くか何を作るかに興味があって、人の評価なんて気にならない。いつもワクワクしています。」

今日も明日もやりたいことがいっぱい

動物病院を息子さんに任せた今、鶴田さんには作品作りのほかにもやりたいことがいっぱいです。
「5、6年前に心筋梗塞で死にかけてから、日本のことを知らないであの世に行って日本人ですって言ったらがられる(叱られる)と思って、古事記と万葉集を読んでいます。それから、筆ペンの練習。毛筆字典の書写は7回目に入ったところです。あとはゴルフの練習と、キーボードの練習。弾き語りがしたいんですよね。毎朝目が覚めると、今日は何しようかって思います。」
鶴田さんの作品を見ていると、明るくてのびのびした気持ちになります。それはきっと、鶴田さんご自身が人生を思いきり楽しんでいらっしゃるからなのでしょう。

鶴田さんの作品を見ていると、明るくてのびのびした気持ちになります。それはきっと、鶴田さんご自身が人生を思いきり楽しんでいらっしゃるからなのでしょう。

鶴田さんの作品展は、鹿児島市のもみじ山美術館で10月29日日曜日まで開かれています。ようやく過ごしやすくなってきた秋の一日、鶴田さんがどこに行くのかワクワクしながら作品を楽しんでみませんか。

もみじ山美術館アクセス

もみじ山美術館
鹿児島市直木町5603
TEL:090-9408-1928
「どこに行くんだ鶴田惠士」展は10月29日(日)まで10:00~17:00

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