今年のソーシャルワーカーデーのテーマは「身寄り問題」!

7月の国民の祝日「海の日」は、ソーシャルワーカーデーでもありました。

これに合わせて、全国各地でソーシャルワーカーさんたちによるイベントが開かれています。自分たちの活動を知ってもらい、そこから見えてくる社会の問題に目を向けてもらおうという取り組みです。

鹿児島の今年のテーマは「身寄り問題への挑戦!」この問題をみんなで考える機会にしてほしいと参加を呼び掛けています。

ソーシャルワーカーというお仕事

そもそも、ソーシャルワーカーさんとはどんなお仕事なんでしょうか?生活する上で困りごとを抱えている人たち、不安を抱えている人たち、社会的に排除されている人たちに対して、問題解決のための支援(ソーシャルワーク)をする専門職です。

日本ではソーシャルワーカーの国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士を中心に医療や福祉、精神保健の分野など、様々な分野で相談援助業務を行っています。

最近では、スクールソーシャルワーカーや地域をフィールドに活動するコミュニティソーシャルワーカーなど仕事の領域も広がりを見せています。

ソーシャルワーカーの仕事でとても大切にされているのが、人の権利を守る(人権擁護)という視点です。社会的疎外を解決し、共存共栄社会を実現するという理念を根っこにしっかり持ちながら活動しなければならない仕事です。

そこで、ソーシャルワーカーデーでのイベントでは、社会の中で暮らしにくさを抱えている方々の声に耳を傾け、それを社会に伝えることを大切にしてきました。

近々、開かれる今年のイベントについて、主催団体の一つ、鹿児島県医療ソーシャルワーカー協会・会長の廣野拓さんにお話を伺いました。

鹿児島県医療ソーシャルワーカー協会 廣野拓 会長
鹿児島県医療ソーシャルワーカー協会
廣野拓 会長

今年のテーマは「身寄り問題」

「8年前から、ソーシャルワーカーの各団体と鹿児島国際大学が一緒になって様々な問題を取り上げてきました。震災被害への支援のあり方、子どもから大人に至るまで存在している貧困の問題など。どれも私たちソーシャルワーカーが仕事として直面している問題であり、社会に横たわっている問題でした。そんな中で、そのままにしておけなくなっている問題が「身寄り問題」だと思います。昔から問題視されつつも、ずっとそのままになっている。

2025年問題(団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる事で日本に起きる様々な問題)もあります。特に鹿児島は1人暮らしの高齢者世帯も多い。なのに、「身寄り問題」に気づいている人たちすらとても少ない状況にあります。この問題にスポットをあてて、日のあたる場所で話をする機会を作りたいと思いました。」

現場で感じること

社会福祉士でもある廣野さんは、さつま町の高齢者施設でソーシャルワーカーをしています。援助の仕事に携わる中で、施設への入退所や次の行き先を探す時、医療を受ける際など、「身寄りがない」ことがネックになって社会で用意されているはずのサービスを受けにくくなっている現実を見てきました。

援助する側のジレンマをこう話します。

「『身寄りがない』という理由で、誰もが受けられるはずの権利が守られていない。差別に近いものを感じたりします。

これから、こういう人たちがもっと増えてくるのに、このままでは、そんな人たちを排除しかねない社会になってしまいます。対応に悩んでいる私たち自身も、部屋の中で悶々と悩んでいないで、一緒に悩みを出し合い、課題と向き合う機会にしたいと思います。サービスを提供する側も意識改革が必要なのかもしれません。」

「身寄り問題」はみんなの問題

「イベントは、専門職だけでなく、一般の人にも来ていただきたいです。まずは今、何が起きているのか、これからどんなことが起きるのかを知ってもらいたい。その中から、私たちが何をするべきなのか、何ができるのかが見えてくると思うんです。『身寄り問題』は当事者や専門職だけの問題では無く、近い将来、多くの人が直面するかもしれない自分自身の問題でもあると思います。この問題を「みんなの問題」として、ご一緒に考える機会になればと思います。」

『身寄り問題』

17年後、日本は独身者(配偶者と離別・死別した人を含む)が国の半数を占める社会になると言われています。

それを「超ソロ社会」(独身者がマジョリティ【多数派】になる社会)と呼び、「拡張家族」「結縁(けつえん)」など新たな社会対応の必要性を指摘する人もいます。

家族や社会の急激な変化への柔軟な対応が求められているのがこの「身寄り問題」なのかもしれません。

イベントの内容紹介

イベントでは、身寄り問題に取り組むNPO法人・つながる鹿児島の代表理事・芝田淳さんによる基調講演がある他、シンポジウムでは、医療や保健、福祉の現場からの実践報告もあります。廣野さんは「鹿児島から身寄り問題の解決の扉を開いていくきっかけにしたい」と話しています。多くの方々の参加をお待ちしています。

身寄り問題に挑むNPO法人・つながる鹿児島 代表理事
身寄り問題に挑むNPO法人 つながる鹿児島 代表理事

芝田淳さんが基調講演します!
※ 芝田淳さんの活動については、てのんでも詳しく紹介しています。どうぞご覧ください。

第9回 ソーシャルワーカーデー

身寄り問題への挑戦~鹿児島のこれまでとこれから~
日時:7月28日(土)
13:30~16:30(受付13:00~)
会場:鹿児島国際大学713教室
参加費:無料
【申し込みは必要ありませんので、当日直接会場にお越しください。】
定員:100名
内容:

基調講演:「身寄り問題への挑戦~鹿児島のこれまでとこれから~」
講師 芝田 淳 氏
(しばた司法書士事務所 司法書士)

シンポジウム:「身寄り問題への挑戦~鹿児島のこれまでとこれから~」
シンポジスト
廣野 拓 氏 (医療ソーシャルワーカー)
新西 真理恵 氏(精神保健福祉士)
徳田 英幸 氏(社会福祉士)
コーディネーター 天羽 浩一 氏
(共同社会福祉士事務所こすもす・鹿児島国際大学元教授)

駐車場:5号館、7号館裏をご利用ください。
【主催】鹿児島国際大学・鹿児島県医療ソーシャルワーカー協会・鹿児島県社会福祉士会
鹿児島県精神保健福祉士会・鹿児島県ソーシャルワーカー協会

【問合せ先】公益社団法人 鹿児島県社会福祉士会事務局(月曜~金曜9時~17時)
TEL: 099-213-4055
FAX: 099-213-4051

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投稿者: てのん記者