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「はち~元気だねぇ~」「よしよし♪」はちはこの町のちょっとした人気者です!
でも、はちにはちょっとつらい過去がありました。
ラブラドールのはちです!
今3歳。人間でいえば28歳くらい。男盛り、結構イケメンでしょ!
元気盛りなんで、時々お母さんを引っ張って手こずらせますがお母さんとの散歩が一番の楽しみ♪
結構この町が気に入っています。
「はちとの出会いは2年前の夏。夜8時過ぎ、首輪もリードも付けずに、はちが夜道を歩いていたんです。飼い主さんも見当たりません。車の往来も激しくとても危ないと思いました」お母さんの、上山加代子さんはこう話します。
迷い犬かもしれないと思い、一緒にいた娘さんと派出所に届けました。
「そこで、ここで預かれるのは1日だけ。翌日には保健所に送られてしまうと聞いたんです。」
お母さんは、飼い主が見つかるまで、しばらく家で預かることにしました。
翌朝、はちの頭にダニがくっついているのを見つけ、すぐに動物病院に連れて行きました。
すると体はノミやダニだらけ。
しかも犬にとっては命取りのフィラリアにも罹っていました。一刻も早い治療が必要でした。入院させて、その後も飲み薬での治療を続けました。
その間、娘さんはチラシを配って飼い主探しに奔走しましたが、3ヶ月経っても、飼い主さんは現れませんでした。
フィラリアの治療が終わった頃には9ヶ月が経っていました。
まだしつけがされていなかったのか、はちは通りがかりの人によく吠えました。
体はこれからもっと大きくなります。
新しい飼い主さんが見つかるかどうか、とても心配でした。
お母さんは、3人の娘さんが巣立ち、お父さんとふたり暮らしでした。
はちをうちの子にしよう!そう決心したのです。
「実は…うちにはもう一匹いるんです。それがビーグル犬のくーちゃん(14歳)!
くー(9)ちゃんの良き弟になってもらおうと、はち(8)という名前にしたんです。」
くーちゃんは人間でいえばもう70歳を超えていて、立派なおじいちゃんです。
そのくーちゃんも又、生まれて間もなく飼い主さんが亡くなり、引き取り手がいなくて、近所の人が交代で世話をしていました。それをお父さんが引き取ってきたのです。
ご夫婦そろって優しいんです♪
こちらが、そのくーちゃん!
ちょっと強気なんで、知らない人と会う時はエリザベスを付けてご対面です!
兄弟仲良くなってもらおうと思ったそうですが、そこは縄張り意識が強い大きい犬同士。
牙をむいての「ガオー」「ガオー」が始まりました。同じ空間で暮らすのはちょっと無理なようでした。
お母さんは、高齢のくーちゃんは、今まで通り家の中で。はちにも、とっておきの住まいをつくってあげました。
玄関を入ったこの場所、そして玄関前の広いスペースがはちのお家です。
西日が当たる玄関には日よけのよしずを掛けてあげました。
最初の頃は、体が大きくてよく吠えるはちに苦情もあったそうでお母さんはしつけ教室にも行きました。
この町に馴染んでほしいと、道路沿いにこんな手づくりの看板も作りました。
はっちゃんが心根は優しくて、人懐っこい子だということをみんなに知ってほしかったのです。
今では、苦情なんてありません。
小学生や幼稚園の子どもたちは「はっちゃ~ん」と声をかけながらこの道を通ります。
わざわざ回り道してはっちゃんに会いに来てくれるご近所さんも少なくありません。
この日、遊びに来ていたお孫さんの美空(みく)ちゃんもはっちゃんが大好き。
早速、一緒にお散歩です。
元気盛りのはっちゃんの散歩は、朝晩2回、毎日30分から40分ずつ。
「この子たちのために、一日3時間は費やすかなぁ。犬を飼うのって結構大変ですよ。」と笑うお母さん。
でも、こんな楽しい出会いもいっぱいです。
道々、声をかけられたり、はっちゃんを囲んでのおしゃべり。
立ち寄って、ハグでごあいさつしていくこともしばしばです。
「気がついたら、はっちゃん繋がりで知り合った人たちがいっぱい。この子たちとの生活、結構楽しいですよ。」
今度ははっちゃんと何したい?お母さんに聞いてみました。
「はっちゃんを思いっきり自由に走らせてみたい。ドッグランに連れていきたいな。」
はっちゃんに、この町に来るまでにどんな犬生があったのか、今は知るよしもありません。
でも今は優しい家族に出会って、すっかりこの町の子になりました。
「ふぁぁ~」と大あくびするはっちゃんは、
優しい人たちと幸せに暮らすはっちゃんの「第2の犬生」にほっこり、にっこりなりました♪