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「食・レシピ」

喜界島の珍しい柑橘で、砂糖漬け・ピールetc・・いろいろ作ってみました。


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喜界島には、現代ではなかなか見られない在来種の柑橘が多く残っているそう。
その中から「フス―」「シーク―」という柑橘と、完熟の「シークワーサー」が島の知人から届きました。貴重な柑橘類、皮も実も余すことなく使って、いろいろ作ってみました。

喜界島から届いた柑橘類です。

喜界島から届いた柑橘類です。
「フス―」「シーク―」「シークワーサー」の3種類入っていました。

まず、こちらが「フス―」

フス―フス―

見た目は柚子に似ていますが、へたが特徴的。ぷくっとしていて、花びらのような星のような形をしていて可愛らしい。

花びらのような星のような形をしていて可愛らしい。

果肉は甘さ控えめの爽やかな酸味の果汁がたっぷり入っていて、すっきりとした美味しさです。

そして、こちらが「シーク―」

シーク―シーク―

見た目は、普通の柑橘ですが、皮をむいて、そこから漂う香りをかいで、ちょっと驚きました。表現が難しいですが、何か高貴な香りがします。
初めて体験する独特な柑橘の香り。

初めて体験する独特な柑橘の香り。

少し調べてみると、アールグレイ紅茶の香りづけの原料となる、イタリアのベルガモットオレンジと同じような香りの成分があるそうで、「あっ、そうだ、この香り、アールグレイ紅茶の香りだ!」と納得し、こんな柑橘が喜界島にはあるんだと驚きました。

このように、喜界島には他では見られない在来種の柑橘類がいろいろあるそうです。
(他にも、クリハー、ケラジミカン、トーク―など)

そうした柑橘類は、畑や庭先に植えられ、大事に守り育てられてきたそうです。

今回、送られてきた柑橘類も知人の家の庭で出来たもの。
こちらではお目にかかる事のない柑橘類、貴重で珍しいし、しかも完全無農薬なので、皮も実も余すことなく使い切ることにしました。

シーク―は砂糖漬けに

シーク―は、その香りを楽しむために砂糖漬けがお薦めだそうで、そうすることにしました。
作り方は、簡単です。

  1. まず、平たい容器にグラニュー糖を敷き詰めておきます。
    まず、平たい容器にグラニュー糖を敷き詰めておきます。
  2. 次に、シーク―を1ミリ~2ミリ程の薄い輪切りにし、別に用意したグラニュー糖をまんべんなくつけます。
    シーク―を1ミリ~2ミリ程の薄い輪切りにし、別に用意したグラニュー糖をまんべんなくつけます。
  3. そして、グラニュー糖を敷き詰めた容器に、シーク―を並べていきます。

これで、出来上がりです。

グラニュー糖を敷き詰めた容器に、シーク―を並べていきます。

すぐに砂糖も溶けてくるので、その日のうちに使えます。

まずは、紅茶に入れてみました。

紅茶に入れてみました。

シーク―の輪切りをスプーンでギュッと押すと、香りが紅茶に移って、アールグレイ紅茶のような、独特な品のある香りが楽しめました。

炭酸水に入れても、もちろんさわやかで香り高くて美味しかったです。

炭酸水に入れても、もちろんさわやかで香り高くて美味しかったです。

フス―の皮はピールに・・

フス―の実は、3個は後述のポン酢作りに使い、残りはそのままいただきました。
皮は、母からピールにすればいいと作り方を教えてもらったので、作ってみる事にしました。

  1. まず、フス―の皮に切れ目を入れて、きれいにはがします。
    まず、フス―の皮に切れ目を入れて、きれいにはがします。
    まず、フス―の皮に切れ目を入れて、きれいにはがします。
  2. 次に、皮を縦に1センチ~1.5センチの幅に切ります。
    そして皮全量の重さを量っておきます。
    皮を縦に1センチ~1.5センチの幅に切ります。
  3. たっぷりとお湯をわかして、その中に皮を入れて5~6分ゆで、皮が柔らかくなったかな?と思ったらざるに上げます。そして、一度水にさらした後、軽く絞って水分を切ります。
    一度水にさらした後、軽く絞って水分を切ります。
  4. 皮全量の重さが280g程。母のレシピでは同量の砂糖と書いてありましたが、私はそれより若干少なめにして250gのグラニュー糖と同じ位の量の水を用意しました。
    まず、鍋に水とグラニュー糖を入れ、少し煮立たせます。
    鍋に水とグラニュー糖を入れ、少し煮立たせます。
  5. 水分が蒸発し、とろみがついてきたかな?と思ったら、皮を投入します。
    水分が蒸発し、とろみがついてきたかな?と思ったら、皮を投入します。
  6. 水分がなくなり、とろっとしてくるまで、焦げ付かないようにかき混ぜながら、煮汁を煮詰めていきます。
    水分がなくなり、とろっとしてくるまで、焦げ付かないようにかき混ぜながら、煮汁を煮詰めていきます。煮詰め終わったら、クッキングシートの上に並べて冷まします。
    煮詰め終わったら、クッキングシートの上に並べて冷まします。
  7. 冷めた皮に、一つ一つ箸でグラニュー糖をまぶし、しっかり乾いたら「フス―ピール」の出来上がり。
    冷めた皮に、一つ一つ箸でグラニュー糖をまぶし、しっかり乾いたら「フス―ピール」の出来上がり。冷めた皮に、一つ一つ箸でグラニュー糖をまぶし、しっかり乾いたら「フス―ピール」の出来上がり。

ほろ苦くて甘くて、オレンジピールよりもさわやかな柑橘の香りがあるような気がします。
そのままいただいても美味しいですが、チョコレートをコーティングしたり、お菓子の生地の中に入れたり活用の幅が広がりそうで、嬉しい保存食ができました。
ほろ苦くて甘くて、オレンジピールよりもさわやかな柑橘の香りがあるような気がします。

フス―とシークワーサーの果汁でポン酢

フス―とシークワーサーの果汁でポン酢

喜界島から届いたもう一つの柑橘「シークワーサー」
シークワーサーって皮は青いんじゃないの?と思っていたら、ジュースや酸味付けなどに使われるのは、青切りと呼ばれる未熟な青い状態で収穫されるものを使っているのだそう。

今頃出回るのは完熟したもので、皮も黄色くなるそうです。見た目は桜島小ミカンに似ていますが、果肉は薄い黄色なので、シークワーサーという事がわかりました。

このシークワーサーの果汁とフス―の果汁でポン酢を作ってみる事にしました。

このシークワーサーの果汁とフス―の果汁でポン酢を作ってみる事にしました。

まず、果汁をしぼっていきます。

まず、果汁をしぼっていきます。

およそ150ccの果汁が取れたので、私は同じくらいの量の醤油とみりんを用意しました。

お好みで、果汁や醤油の量を調整したり、お酢を加えても良いと思います。

お好みで、果汁や醤油の量を調整したり、お酢を加えても良いと思います。

作り方は簡単です。
まずみりんを煮立たせ、その中に醤油と果汁を入れてさっと火を通したら出来上がり。
即席ポン酢ができました。

みりんを煮立たせ、その中に醤油と果汁を入れてさっと火を通したら出来上がり。 即席ポン酢ができました。

さっぱりとして、マイルドな酸味。鍋のつけダレにして美味しくいただきました。

さっぱりとして、マイルドな酸味。鍋のつけダレにして美味しくいただきました。

3種の柑橘のうち、残ったのはシークワーサーの皮。
これも母の助言で、陳皮と同じように皮を乾燥させて使う事にしました。

シークワーサーの皮を乾燥させて

陳皮とは、日本では温州ミカンの皮を乾燥させたものを言うそうで、薬味など食用に使われる他、漢方にも使われます。シークワーサーの皮も柑橘の良い香りがするので、陳皮と同じように乾燥したら重宝するよと母から言われ、作ってみる事にしました。

シークワーサーの皮も柑橘の良い香りがするので、陳皮と同じように乾燥したら重宝するよと母から言われ、作ってみる事にしました。
  1. 皮をザルに広げて干します。
    天候が不順だったので、室内に干していましたが、1週間ほどでカラカラになりました。
    皮をザルに広げて干します。
  2. カラカラになった皮を、バーミックスで細かくしたら、こんな感じになりました。
    カラカラになった皮を、バーミックスで細かくしたら、こんな感じになりました。カラカラになった皮を、バーミックスで細かくしたら、こんな感じになりました。

乾燥させても、さわやかな香りが残っています。
試しにうどんの薬味にしたら、柑橘の香りが味のアクセントとなり風味が増しました。

試しにうどんの薬味にしたら、柑橘の香りが味のアクセントとなり風味が増しました。

七味唐辛子の中にも陳皮が使われているそうですね。

今回、初めて作ってみたので、これからお茶に入れてみたり、漬物にかけたりいろいろ試して活用していきたいと思います。

喜界島から届いた珍しい柑橘、実も皮もすべて使い切って、いろいろ作れました。
いつもは捨ててしまう皮も、貴重な柑橘だからと少し頑張ってみたら、これまで作ったことのないものにも挑戦できて、いい経験になりました。

喜界島に他ではみられない柑橘類があることもわかり、これらの在来種が大切な資源としてこれからも残っていってほしいなと思いました。

喜界島に他ではみられない柑橘類があることもわかり、これらの在来種が大切な資源としてこれからも残っていってほしいなと思いました。

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