香ばしいお醤油のにおいに誘われて、ついつい買ってしまう「しんこだんご」。いつもならお花見に繰り出して、花も団子もと楽しみたいところですが、今年は新型コロナウイルスの影響でそうもいきません。
こんなときは、何かウキウキすることやってみよう!と思いついたのが、大好物のしんこだんご作り。家族で作ってみたら、思った以上に盛り上がって、おなかも心も大満足でした。
家で過ごす時間がちょっと退屈だなあと思ったら、しんこだんご、作ってみませんか?
材料は?
材料
※この分量で、おだんご4つの串が7本できました!
- 寒ざらし粉(白玉粉) カップ2
- しょうゆ 大さじ3
- みりん 大さじ1
- さとう 大さじ半分
- 竹串 10本くらい
「寒ざらし粉」ってなに?と思われたかもしれません。「冬の一番寒いときに水にさらして作る上等な粉なんだよ。」と母に教わったうろ覚えの記憶しかなかったので、どうやって作られる粉なのか調べてみました。
すると、一般社団法人日本粉体工業技術協会のホームページに詳しい作り方が書かれていました。
冬の冷たい水でもち米を洗って水を切り、水を加えながら石臼でひいて、出てきた液体を布袋に集めて冷水にさらしながら、きめの細かい細粒分だけを絞りとって、それを寒風にあてて天日乾燥する、その工程を「寒晒(かんざらし)」というのだそうです。
こうしてできた粉は、一般的には「白玉粉」というようです。もっちりぷるんとした魅惑の口当たりは、寒さと手間を惜しまない仕事の賜物だったのですね。「上等な粉」というのもうなずけます。
その昔、しんこだんご作りが得意だった知り合いのおばあちゃんが「しんこだんごは寒ざらし粉で作らんと!」と言っていたのも、材料がシンプルなだけに粉が命ということだったのでしょう。
鹿児島のあちこちの物産館には、地元の方が作った寒ざらし粉が売られていますので、もし手に入ったら寒ざらし粉で作ってみてくださいね。もちろん市販の白玉粉でもいいと思います。
作ってみました!
まずは、たれを作ります。しょうゆ、砂糖、みりんを小鍋に入れて弱火にかけ、少しだけとろみがつくくらいに煮詰めます。ここでご紹介した分量は目安ですので、味を見て、それぞれのご家庭のお好みの味になるよう、自由に調整してくださいね。
寒ざらし粉に水を加えてこねます。ここで大事なのは、少しずつ水を加えながらこねること。粉の変化をよく見ながら、たらっと水を加えてはこねるを繰り返していきます。掌の分厚い部分に体重をのせて、ぐっぐっとしっかりこねます。
肌がきめ細かくなって、つまむと耳たぶくらいの感触になったら出来上がり。これから一口サイズのおだんごに丸めていくのですが、まずは、大きめのお鍋にたっぷりの水を入れて火にかけます。あとでおだんごをゆでるので、丸めている間に沸かしておきます。
ゆであがったおだんごを冷まして引きしめる冷水も、ボウルに準備しておいてください。おだんごの丸め方は簡単です!適量を両手の掌にはさんでくるくる。
まな板の上で、片手でくるくるしてもできます。大きさが多少バラバラでも気にしない気にしない!
お湯が沸いたら、出来上がったおだんごを手早く鍋に入れます。
しばらくすると、ひとつ、またひとつとおだんごが浮いてくるので
浮いたものから冷水の入ったボウルに入れます。
すべてのおだんごが冷めたら、ざるにあげて水けをきり
あとは、竹串に4個ずつさします。
いよいよ焼きます。今回は、カセットコンロに餅焼き用の網をのせて焼きましたが、ご家庭の事情に合わせて、フライパンやホットプレートで焼くなど工夫してみてください。
まずは、そのまま表面を乾かす感じで軽く焼き、それからたれをつけます。
たれをつけると焦げやすいので、串を少しずつ回転させながら焼くと、焦げ付かず、まんべんなく火が通ります。
火からおろしてたれをつけてはまた焼く、という作業を繰り返すと、おいしそうな照りが出てきます。3回繰り返すとこんな感じです。
さあさあ、しんこだんごの出来上がりです!むっちりきちきちの食感、じりっと甘からしょうゆ味!熱々をふーふーしながら食べるのは最高のごちそうです。
夢中でほおばり、あっという間になくなってしまいました。中年夫婦2人暮らしの我が家ですが、焼くのを担当した夫が、串の回転に意外な才能を開花させて大笑い、おいしくて愉快なひとときでした。
お子さんがいらっしゃれば、粉をこねるのを任せたり、家族みんなで丸めたりして、なおにぎやかに過ごせることでしょう。
そういえば、しんこだんごって、どうして「しんこだんご」なんだろう?それはまた次回、しんこだんご誕生にまつわるお話をご紹介します。どうぞお楽しみに!