鹿児島では、お盆を過ぎると新米が出始めます。
炊き上がった時のきらきらの米粒と、ほのかな稲穂の香りは、新米ならでは。毎年、うっとりしてしまいます。
そのままでもおいしい新米ですが、梅干しを丸ごと入れて炊き、おにぎりにしたものが、我が家の人気です。梅干しは、塩や赤しそだけで漬けた昔ながらのものがいいです。我が家は、梅干しを漬けるようになって14年になりますが、新米とともに、その年の梅干しがデビューすることが多いです。
梅干しは、お米1合に一個を目安に、梅干しの大きさや塩分に応じて調節してください。
我が家の梅干しは、塩分20%で特大サイズなので、2合に一個入れています。炊き上がったら梅干しをほぐしながら全体をふっくら混ぜます。


自家製梅干しのいいところは、素敵な副産物ができること!梅の塩漬けの段階でできる「白梅酢」と、赤紫蘇を漬けた後にできる「赤梅酢」です。

この「赤梅酢」を、普通に水加減したお米に、1合につき大さじ1杯の割合で加えて全体を混ぜて炊くと、うっすらピンク色で、ほのかな梅の香と塩味のごはんが出来上がります。紫蘇で巻いてもおいしいです。


これから、運動会や行楽に、おにぎりの出番が多い季節。
以前、朝のドラマで、「おにぎりは炊き立ての熱々を握らなくちゃおいしくできないのよ」と言われたヒロインが、手を真っ赤にしながらおにぎりを作るシーンがあったので、私もやってみたことがあります。
たしかに、冷めても口の中でほぐっと崩れる、とってもおいしいおにぎりになりました。以来、おにぎりは熱々ごはんでつくるのですが、何回も握るうち、どうしておいしくなるのかが分かった気がします。
熱々ごはんは、とにかくとっても熱いので、ぎゅっとは握れません。あちちあつつと、手の中でごはんがぽんぽんと跳ね回るうちに形になっていき、いつのまにか、程よく空気を含んだおにぎりが出来上がっているのです。そのおいしさは、熱さに耐えたご褒美!みんなの喜ぶ顔もうれしくて、またせっせと熱々おにぎりをにぎります。
さあ、新米と梅干しのおにぎりを持って、どこへ行こうかな。