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「ぶらり旅」

ちいさな家庭菜園に春がきた


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立春をすぎると心なしか陽の光りが強くなって、いつもの景色が輝いて見えます。春を真っ先に教えてくれるのはおひさまだなあとつくづく思います。

我が家の家庭菜園の野菜たちも、春を感じて動き出しました。ソラマメ、ニラ、ブロッコリー、芽キャベツ…みんな成長のスピードがぐんとあがって元気いっぱいです。外出もままならないコロナ下の日々、ちいさな畑にずいぶんと楽しませてもらっています。

草木や生き物たちは季節の移ろいに敏感です。まだまだ寒い日もありますが、外に出るときっと春が見つかりますよ!

ソラマメにやってきたナナホシテントウソラマメにやってきたナナホシテントウ

ソラマメの春

ソラマメは、全国でも鹿児島が一大産地として知られています。庭先の畑くらいの広さでは収量は望めませんが、鮮度が命のソラマメを究極の産直で味わってみたくて、10月にポットに種をまき、11月に畑に植え付けました。

畑のソラマメ畑のソラマメ

冬の初めまでは暖かかったので順調に育ちましたが、昨年末からの気温の乱高下には気をもみました。霜が降りたり雪が降ったりすると、葉がだらりとしおれて、もうだめかと思うほど痛々しい姿になるのです。でも、お昼を過ぎるころにはしゃっきり青々と葉を広げていて、すっかり元通りに。そのたくましさには驚きました。今では花芽をつけています。

ちいさな粒々が花芽ちいさな粒々が花芽

ニラの春

野菜づくりは夫の長年の趣味で、庭にこしらえた畑やプランターで毎年少量多品種を育てています。私はもっぱら食べるのを楽しみにしていますが、畑の野菜たちには、季節の移ろいや小さな生き物のくらしなど、たくさんのことを教えてもらっています。

夏にたくさん採れるニラは、冬の間はすっかり姿を消してしまいますが、土の中では根っこが生きていて、今頃になるとぴょこぴょこ芽を出します。そろそろ春ですよ!ニラの声が聞こえてくるようで、明るい気持ちになります。

なんだかにぎやかな感じがしますなんだかにぎやかな感じがしますなんだかにぎやかな感じがします

ブロッコリーの春

ブロッコリーは、我が家の冬の畑の常連ですが、今年は今までで一番大きく立派に育ちました。いつもより早く、まだ寒さの厳しいうちに収穫できたので、ブロッコリーとして食べる「花蕾」の部分がぎゅっと引き締まっていて味も濃く、感動のおいしさでした。春になると、冬に収穫した花蕾の切り株のまわりに、ちいさな花蕾がいくつも出てきて、それをちょこちょこと収穫するのも楽しみです。

ちいさなブロッコリーがいくつもちいさなブロッコリーがいくつも

ブロッコリーを楽しみにしているのは、人間ばかりではありません。ヒヨドリもブロッコリーが大好き。特に葉がお好みのようで、いつのまにか穴だらけのぼろぼろになってしまいました。

遠慮のない食べっぷりです遠慮のない食べっぷりです

洗濯物を取り込もうと庭に出たところで、葉をついばんでいるヒヨドリに出くわし、お互いびっくり。ヒヨドリが大慌てで飛んでいったこともありました。ことのほか大きく育った今年のブロッコリーは、ヒヨドリのお食事処にもなっているようです。

メダカとハスを育てている鉢が、ヒヨドリの水場にもなっていますメダカとハスを育てている鉢が、ヒヨドリの水場にもなっています

芽キャベツはそろそろ食べ納め

この冬初めて育ててみたのが芽キャベツです。といってもキャベツの芽、というわけではありません。「子持ちキャベツ」とも呼ばれるキャベツの仲間で、れっきとした別の野菜です。上から見ると葉ボタンのようですが、伸びあがった茎の部分に、直径3センチほどの小さなキャベツ玉がぎっしりできるのです。

葉ボタンのような見かけですが…葉ボタンのような見かけですが…
茎のところはこのとおり!キャベツのミニチュア版がぎっしり!茎のところはこのとおり!キャベツのミニチュア版がぎっしり!

料理の前に下茹ですると、それはそれは鮮やかな緑色になります。

ころころとかわいらしい形とビタミンカラーが食欲をそそりますころころとかわいらしい形とビタミンカラーが食欲をそそります

1月の上旬に初めて収穫したときは、たまねぎやじゃがいも、ニンジンといっしょにミルク煮にしてみました。噛むと柔らかくほぐれて、濃縮されたようなキャベツの甘みがひろがり、思いがけないおいしさでした。

もう少し大きくなるのかなと思って、しばらくおいて2月に入ってから収穫して食べてみると、菜花に似たかすかな苦みが加わったように感じました。芽キャベツにも春の兆しが表れているのかもしれません。まだまだ冬仕様のからだには、この苦みが不思議と美味しくて、なまった細胞が目覚めるような気がしました。

ほろ苦い芽キャベツはおつまみに最高!ほろ苦い芽キャベツはおつまみに最高!

これまでに20個ほど収穫した芽キャベツ。あと10個くらいは採れそうですが、この後どんな変化を見せてくれるのかが楽しみです。

春はジャガイモ

冬野菜でにぎやかだった畑も、そろそろ春植えの野菜を仕込む時期になりました。まずはジャガイモの出番です。昨年は「キタアカリ」という、ほくほく食感がおいしいジャガイモを育てましたが、今年は「シンシア」という品種を植えてみることにしました。煮くずれしにくくて、しっとりなめらかな食感が特徴だそうです。

種芋を4つに切り分けて植えました種芋を4つに切り分けて植えました

順調にいけば、5月の末から6月の初めには収穫できる見込みです。「来年のことを言えば鬼が笑う」といいますが、コロナ下の今、ひと月先さえどうなっているかわからない世の中で、野菜の成長を思うひとときは安らぎます。鳥や虫たちにつまみ食いされながら、のんびり見守りたいと思います。

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