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「福祉」

障がい児教育の生みの親・大坪敏夫先生、しょうぶ学園で55年ぶりの再会


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鹿児島の障がい者教育の生みの親・大坪さんの著書「歩きはじめた小さな天使たち」がきっかけとなって、その本の出版元(現在の沖縄教育出版)の記者さん蜂谷菜保子さんが沖縄から大坪先生を訪ねてきてくださったお話を前回お伝えしましたが、その続きのものがたりです。

一緒に、鹿児島市にある知的障がい者の支援施設・しょうぶ学園を訪ねることになりました。

一緒に、鹿児島市にある知的障がい者の支援施設・しょうぶ学園を訪ねることになりました。 一緒に、鹿児島市にある知的障がい者の支援施設・しょうぶ学園を訪ねることになりました。 一緒に、鹿児島市にある知的障がい者の支援施設・しょうぶ学園を訪ねることになりました。

そこは、小さな森に迷い込んだかのような心地よい空間です。

朝採れ野菜朝採れ
野菜
庭では朝の会の真っ最中庭では朝の会の
真っ最中
ロバやひつじがお出迎えロバやひつじが
お出迎え
ロバやひつじがお出迎えロバやひつじが
お出迎え

しょうぶ学園は、障がい者の自由で独創的な創作活動が大きな反響を呼び、全国、海外からも訪問者が相次いでいます。
布、木工、陶芸、和紙、など…いくつもの工房から生み出される彼らの作品は、圧倒的な力をもって人々の心をつかんでいます。

しょうぶ学園は、障がい者の自由で独創的な創作活動しょうぶ学園は、障がい者の自由で独創的な創作活動しょうぶ学園は、障がい者の自由で独創的な創作活動しょうぶ学園は、障がい者の自由で独創的な創作活動しょうぶ学園は、障がい者の自由で独創的な創作活動しょうぶ学園は、障がい者の自由で独創的な創作活動

その学園で大坪先生と会うのを、待ちわびている方がいました。

その学園で大坪先生と会うのを、待ちわびている方がいました。

この学園の創設者、福森悦子先生です。
ふたりは、障がい児教育の始まりの時代。
共に同じ職場で働き、その始まりの道をつくってきた同志だったのです。
94歳と88歳。実に55年ぶりの再会でした。

この学園の創設者、福森悦子先生この学園の創設者、福森悦子先生
94歳と88歳。実に55年ぶりの再会でした。実に55年ぶりの再会

「先生~お久しぶりです。会いたかった。この方は、神さまですよ。障がい児教育の神さま。」
手を取り合って、再会を喜びました。

この方は、神さまですよ。障がい児教育の神さま。」 手を取り合って、再会を喜びました。

手紙のやり取りは続いていましたが、互いに忙しい身が続き、直接会うことは叶わず、長い年月が流れていました。

ふたりが一緒に働いた期間は、短い間でしたが、悦子先生は大坪先生と出会い、心が大きく動かされ、この道を歩む覚悟ができたと言います。
学園をつくる原動力になったのが大坪先生との出会いだったのです。

学園をつくる原動力になったのが大坪先生との出会いだったのです。

学園の一角に、少し前に悦子先生にお贈りした大坪先生の「天使たち」の本が置かれていました。

学園の一角に、少し前に悦子先生にお贈りした大坪先生の「天使たち」の本が置かれていました。学園の一角に、少し前に悦子先生にお贈りした大坪先生の「天使たち」の本が置かれていました。

その横に悦子先生の手書きのメッセージが添えられていました。
「しょうぶ学園 はじまりの原点は ここにあり」

 「しょうぶ学園 はじまりの原点は ここにあり」 「しょうぶ学園 はじまりの原点は ここにあり」

この本を、職員で回し読みしているそうです。

悦子先生は88歳になった今も、学園の理事長を務め、現役です。

そしてその後を継ぎ、常に新しい風を起こしているのが息子で施設長の福森伸さんです。
「先生、この子をおんぶしながらでしたよね。こんなに大きくなりました。」と悦子先生。

そしてその後を継ぎ、常に新しい風を起こしているのが息子で施設長の福森伸さんです。 伸さんと大坪先生が出会い。次の世代へのエールの握手です。

伸さんと大坪先生が出会い。次の世代へのエールの握手です。

しょうぶ学園は今年、創立45年を迎えます。
いくつもの工房で園生たちが、それぞれに能力と個性を発揮しながらものづくりに取り組んでいます。大坪先生とその工房を見学しました。

大坪先生とその工房を見学しました。大坪先生とその工房を見学しました。

それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。

それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。それぞれが、それぞれの内なる世界の声に従って手を動かし、集中しています。

無心… そんな言葉が浮かんでくるような工房の空気でした。
「何を選んで、何をつくるのか、そして何が生まれてくるのか… それは私たちにも分かりません。彼らの心のままに任せます。自由なものづくりが工房の基本です。」と、案内してくれた職員さん。

「何を選んで、何をつくるのか、そして何が生まれてくるのか… それは私たちにも分かりません。彼らの心のままに任せます。自由なものづくりが工房の基本です。」

「私たちの時代は、何かこの子たちに出来そうな教材を与えて、それを教える。
出来る事を探して、見つけてあげる教育でしたよね。それにしてもみんなが生き生きしている。」

先生も新鮮な感動を覚えられたようでした。

先生も新鮮な感動を覚えられたようでした。

一冊の本との出会いで生まれた55年ぶりの思いがけない再会。一冊の本との出会いで生まれた
55年ぶりの思いがけない再会

一冊の本との出会いで生まれた55年ぶりの思いがけない再会。

同じ時代に苦楽を共にし、障がい児教育のはじまりを築いてこられたお二人の再会に立ち会う事が出来てとても幸せでした。

「先生、今度はここで、みんなにその始まりのお話を聞かせて下さい。」

「先生、今度はここで、みんなにその始まりのお話を聞かせて下さい。」
伸さんのそんな声を聞きながら、はじめの一歩が次の世代に一本の糸で繋がれていくような気がして、また嬉しくなりました。

そして、本の発見をきっかけに沖縄から鹿児島に飛んで来てくださって、「本が結ぶご縁の旅」をつくって下さった沖縄教育出版の蜂谷さん有難うの気持ちでいっぱいになりました。

笑顔の記念撮影となりました。

そんなこんなで、会うはずのなかった人たちが集合して出会い、繋がり、元気をいただきながら…
笑顔の記念撮影となりました。

終わりに

施設長の福森伸さんのお話から…
「彼らは、何かを伝えようとか、意味のあることをしようとか、そんな事、さらさら思っていない。周りから評価されようとも思っていない。自分の「したい」に従って、したいことをしている。とても自由で快適ですよね。僕らもそうありたいと思うけど、なかなか出来ない。丸裸になって自分の不完全さをさらけ出している彼らを目の前にすると、不自由な世界を生きているのは、むしろ僕らの方なのかもしれないと思いますよ。」

そんな問いかけに、自問自答。
次は、そんな工房しょうぶの創作活動とそこから見えてくるものについてご紹介します。

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