「生き方」

柏木のおじちゃんの絶品あくまき、6月いっぱい食べられます!

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去年5月「てのん」で柏木のおじちゃんこと柏木勲さんがつくる名物「かからん団子」をご紹介しました。15歳で菓子職人を目指し、手抜きなしでお菓子をつくり続ける気骨ある姿に心打たれました。

先日、その柏木のおじちゃんからお電話が…「あんたは、まだうちのあくまき食べて無かったよね。あげたいから、取りにおいでよ。」お元気そうな声を聞いて、久しぶりにおじちゃんのお菓子を食べたくなりました。

ロングセラーの「かからん団子」をつくり続ける柏木のおじちゃんのおはなし「かからん団子」といえば、鹿児島に伝わる郷土菓子。このおだんごに懐かしさや故郷を感じる方も多いかもしれません。その「かからん団子」が人気...

鹿児島に伝わる郷土菓子「あくまき」

あくまきは、古くから鹿児島に伝わる餅菓子です。

鹿児島の郷土菓子「あくまき」鹿児島の郷土菓子「あくまき」

竹の皮に包んで、もち米を灰汁(あく)水で数時間煮込んでつくられるあくまきは、男の子の健やかな成長を願う和菓子として、主に端午に節句の頃につくられています。鹿児島では、4月の半ば頃になるとよく見かけるようになり、家で手づくりする人のために、スーパーマーケットなどでは、灰汁や竹の皮などの材料が売られていて、鹿児島の人にとっては、この季節になると食べたくなるソールフードのような和菓子です。去年、取材させていいただいた時、「うちは、あくまきも美味しいんだよ。」と伺って、「是非また今度、取材させて下さい」とお約束していたのに、その季節が終わろうとしていました。

おじちゃんのあくまきの美味しさの秘密

お店に伺うと、「久しぶり、元気だったね?」トレードマークのオレンジ色のエプロン姿で、笑顔で迎えて下さいました。

柏木のおじちゃんこと柏木勲さん(86歳)柏木のおじちゃんこと柏木勲さん(86歳)

86歳。今も毎日ひとりで手づくりのお菓子をつくり続けています。この時、思いがけず嬉しいお話を聞かせていただきました。
「あんたが取材してくれたでしょ。あれからまたいろんなお客さんが来てくれるようになってね。嬉しかったよ。何かお礼をしたいとずっと思っていたんだけど、私は何も返せるものがないでしょ。あ~うちのあくまきを食べてもらおうと思ってね。6月で今年のあくまきづくりも終わるから、電話をしたのよ。昨日の夜炊いて、出来たばかりのがあるから、持って帰ってよ。美味しいよ。(笑)」

昨年の取材の時、柏木のおじちゃんのお店は、ご贔屓にして下さる古くからのお客さんに支えられて、ゆるやかなペースで商売を続けてこられたことが良く分かりました。取材をすることで、そのペースを壊してしまうのではないかと、少なからず心配していましたが、喜んでくださっていることが分かって、とてもホッとしました。しかも、取材を思い出して下さって、ご自慢のあくまきをお礼に持たせて下さると聞いて、さらに嬉しくなって、お言葉に甘えていただくことにしました。
ご自慢のあくまきをお礼に持たせて下さると聞いて、さらに嬉しくなって、お言葉に甘えていただくことにしました。
ご自慢のあくまきをお礼に持たせて下さると聞いて、さらに嬉しくなって、お言葉に甘えていただくことにしました。
「あくまきは、暇がいるのよ。(時間がかかるのよ。)うちのあくまきはつくり方が全然違うから。」つくり方を尋ねたところ、竹の皮を水に2~3日漬けて、柔らかくして、もち米を洗って、灰からとった灰汁(あく)に一昼夜浸し、竹の皮に巻いて仕込みます。そして、水をつぎ足しながら、4時間かけて炊くんだそうです。炊きあがったのが、昨日の夜の10時すぎ。いつものお菓子づくりに加えて、この時期はとても忙しいんだそうです。柏木のおじちゃんのあくまきづくりは、毎年4月の下旬から6月いっぱい。ほとんどが予約注文なんだそうですが、2日に1度は作らないと、追いつかないほどの人気で、毎年おじちゃんのあくまきを食べるのを楽しみに待っている人が多いんだそうです。

この道70年の柏木勲さん(86)この道70年の柏木勲さん(86)

「あくまきはやっぱり鹿児島の故郷を感じるお菓子だからね。毎年、県外に送ってという人も多くてね。この時期になると食べたくなるんだろうね。」
おじちゃんによると、おいしさの秘密は、灰汁(あく)をとるための木灰にあるそう。木灰は、杉や松や新建材ではダメで、良質の木灰をつかうことが味の決め手のひとつなんだそうです。最近は良い木灰を手に入れることが難しくなっていますが、おじちゃんは、いちき串木野市のミカン農家の剪定した後に出る木の灰で灰汁(あく)を取ったところ、抜群に美味しいあくまきができたんだそうです。「これだ!と思ってね。それからずっとそこの灰を使っているの。味が違う、違う。食べてみるね。」

「まずは、食べて見らんね!」とおじちゃん「まずは、食べて見らんね!」とおじちゃん

ご自慢のあくまきをいただきました!

昨晩炊いた出来たてのあくまき昨晩炊いた出来たてのあくまき

こうして、まだ真空パックされていない出来たてのあくまきをお店でいただくことになりました。竹の皮を開くと、つやつやのあくまきが…
竹の皮を開くと、つやつやのあくまきが…
あくまきは、竹の皮に吸い付くみたいに弾力があって、プルンプルンです。
あくまきは、竹の皮に吸い付くみたいに弾力があって、プルンプルンです。
「美味しそう~」と思わず声に出てしまうと…「まだ、食べてみないと分らんがね。(笑)」とニコニコ顔のおじちゃん。白砂糖を少しまぶしてもらって、ひと口、いただきました!「どうね?」と私の顔を覗き込むおじちゃん。「モッチモチ。弾力が凄いですね。味がギュッと詰まってて、美味しい!」と言うと、「でしょう。」と、またにっこり。
モッチモチ。弾力が凄いですね。味がギュッと詰まってて、美味しい!
モッチモチ。弾力が凄いですね。味がギュッと詰まってて、美味しい!
「こんにゃくみたいにフニャフニャしたあくまきもあるけど、うちの(あくまき)は、キッチキッチしてるでしょ。色も、濃い茶色じゃなくて鼈甲色で、艶もあって美味しいんだよ。ほのかにミカンの香りがしなかった?(ミカンの木から灰を取っているから)かんきつ系の香りがするという人もいるよ。」おじちゃんご自慢のあくまきは、1本400円。私は、取材のお礼に2本はいただいて、お土産用に2本買って帰ることにしました。

柏木菓子店にホットニュース!
おじちゃんにお弟子さんが出来た♪

そして、もうひとつ、嬉しいニュースが…

「今ね、お菓子づくりを習いに来ている人がいるのよ。」「今ね、お菓子づくりを習いに来ている人がいるのよ。」

「今ね、和菓子のつくり方を一から教えてほしいと言って、私のところに習いに来ている人がいるのよ。」おじちゃんが嬉しそうに教えてくれました。その方は、いちき串木野市にお住いの女性で、会社勤めをしながら、いつかお菓子屋さんを開きたいという夢をもっていたそうです。手づくりの洋菓子をつくっては、地元の道の駅などに卸して、店を開く準備を着々と進めていたんだそうです。そんな時、ネットでおじちゃんの「かからん団子」の記事を見て、「やっぱりお菓子屋さんをするなら、ちゃんとした和菓子をつくれるようになりたい。この人から学びたい。」と思って、おじちゃんのお店を訪ね、直談判。この春から、仕事が休みの日を見つけては、ここでおじちゃんから和菓子づくりのいろはを教えてもらっているんだそうです。

「これが、なかなか筋が良いんだよ。」と嬉しそう「これが、なかなか筋が良いんだよ。」と嬉しそう

「それがね、飲み込みが早いのよ。職人としての筋が良いし、経営感覚もあるから、私が叱られるくらい。(笑)しっかりしていて頼もしいよ。かからん団子もあくまきも、まだ一人前とはいかないけど、もうひと息というところまで来ているから、これからが楽しみだよ。」おじちゃんは、自分の菓子店は一代限りと思ってきました。ふたりの子どもたちも、それぞれ別の道を選びました。「この仕事は、きついことも多いから、ほんとに好きな人じゃないと続かないよ。」ときっぱりおっしゃっていました。でも今、おじちゃんの腕と職人魂に惚れ込んで、その味を受け継ぎたいというお弟子さんが現れたことがとても嬉しく、おじちゃんが前にも増して、生き生きと張り切っているように見えました。

お菓子で繋がる出会い、触れ合い

お菓子で繋がる出会い、触れ合い
そして、こんな話も聞かせて下さいました。
「数年前から、デパートにうちのお菓子を置いてもらえませんか、という話がきているのよ。でも、私はこの店で、このやり方が一番だと思っているから、断っているのよ。たくさんは作れないけど、人件費もひとり分だけでしょ。納得できるお菓子づくりを、私のできる範囲で続けて、そのお菓子を好きで買いに来てくれる人がいる。これが一番。」
こうして話を聞いている間にも、ボツボツとお客さんがやって来ます。
この方は、常連さん。お裁縫のお稽古に行くのに、お仲間へのお土産にかからん団子を買いに来たそう…

「みなさん、ここのお菓子が好きで、喜ばれるのよ。」「みなさん、ここのお菓子が好きで、喜ばれるのよ。」

そしてこのおふたりは、初めてのお客さん。

「ネットで見て、一度来てみたかったんです。」「ネットで見て、一度来てみたかったんです。」

新しい出会いが日々あるのです。
新しい出会いが日々あるのです。
「この前は、東京から鹿児島にゴルフをしに来たというお客さんが、ネットで見たと言って、わざわざここに、かからん団子を買いに来てくれたんだけど、霧島に向かう途中で電話がかかってきて、『途中でたまらなくなって車の中で食べたんですけど、ほんとに美味しいです。これは本物の味ですね。(東京から)また注文します。』って。嬉しかったなぁ。」
お菓子を通して生まれる出会いや触れ合いが、おじちゃんのお菓子をつくる原動力になっているんだろうなぁと思いました。

柏木のおじちゃんのあくまき6月いっぱい注文を受け付けています!

柏木のおじちゃんのあくまき6月いっぱい注文を受け付けています!
柏木のおじちゃんの今年のあくまきづくりも、もう終盤です。私はいただいたあくまきを、きな粉とお砂糖をまぶしていただきましたが、プルルンとした弾力ある食感は、食べ応えがあって、お腹も心も満腹になりました。
プルルンとした弾力ある食感は、食べ応えがあって、お腹も心も満腹になりました。
プルルンとした弾力ある食感は、食べ応えがあって、お腹も心も満腹になりました。
家族と一緒におじちゃんのことを話しながら、いただくあくまきの味はまた格別で、つくった人の顔が見えるお菓子っていいなぁと改めて感じました。柏木のおじちゃんご自慢のあくまき、予約すれば6月いっぱいは食べられるそうですよ。みなさんもおひとつ、いかがですか?

「美味しいですよ♪」「美味しいですよ♪」

柏木菓子店の連絡先

住所:鹿児島市東坂元2丁目30-7
電話:099-247-6861
定休日:日曜日(祝祭日は電話でご連絡下さい)
営業時間:午前8時半~夕方

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