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てのん記事

タンゴを踊りたい!今ならまだできるわ!御年85歳の華麗な舞

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タンゴといえば、哀愁をおびたバンドネオンの調べと、しなやかで力強い情熱のダンスを思い浮かべます。もしも踊れたなら…。そんなあこがれをかなえようとレッスンに励んでいる女性がいます。

日置市の安藤ヤス子さん、もうすぐ御年86歳。体力を考えると、今がタンゴを踊るラストチャンスと、この夏、しばらく休んでいたダンスを再開しました。「やってみなくちゃわからない!」が身上の安藤さんのレッスンにお邪魔しました!

日置市の安藤ヤス子さん、もうすぐ御年86歳

安藤さんが通うのは、鹿児島市のダンススクール「ダンサブル ポム」。毎週1回、30分ほどの個人レッスンを受けています。

ワルツやルンバの動きで体をほぐしたあと、いよいよタンゴのレッスンです。

安藤さんが通うのは、鹿児島市のダンススクール「ダンサブル ポム」
毎週1回、30分ほどの個人レッスンを受けています。
ワルツやルンバの動きで体をほぐしたあと、いよいよタンゴのレッスンです。

ご本人は「まだまだお見せできるような踊りじゃないんですよ。」とおっしゃいますが、複雑なステップや体の動きを難なくこなし、年齢なんてどこ吹く風!見事なダンスです。

手ほどきをする大久速水先生も目を見張ります。
「ビックリするくらいお元気なんですよ。ダンスは、頭も使うし筋力も使うんですけど、素晴らしいですよ。」

大久速水先生と安藤さん大久速水先生と安藤さん

70歳でご主人を亡くし、ずっと習いたかったダンスを始めたのは73歳のとき。通ったのは、当時住んでいた千葉の公民館講座でした。

以来、鹿児島に転居するまでの7年ほど、時にはダンススクールの個人レッスンも受けて練習を重ね、パーティーのデモンストレーションでダンスを披露するまでに上達しました。

ところが、突然の腰痛をきっかけに、しばらく踊れない事態に。今の、元気そのものの安藤さんからは想像もつきませんが、杖なしでは歩けなくなってしまったのです。

「81歳になろうかというときに、お引越しで少し無理をしましてね、腰を悪くしてしまいました。左手も上がらなくなってしまったんですよ。」

半年ほど病院に通いましたが、改善の兆しはなく…。そんなとき、雑踏で押されて転倒、けがをしてしまいました。

「幸い骨折はしませんでしたけど、からだの痛みで眠れない、寝返りもうてない、お手洗いにも這っていくような状態で、1年半ほどは杖が手放せませんでした。」

これではいけないと、いいといわれることはすべて試してみることに。
「私ね、やってみるかみないかだったら、やってみる方をとるんです。本を読んだり人に尋ねたりしながらいろいろ試してみて、自分の体に合う方法を見つけていったんですよ。」

これはと思った体操を1年以上続けたほか、地域の公民館での体操サークルにも通い、杖なしでも歩けるまでに回復しました。

前向きで気力に満ちた安藤さんならではと思いきや、この時期はからだの不調に加えて、娘婿が亡くなるという悲しみにも見舞われ、心が深く沈み込んで何も手につかない日々もありました。

「つらかったあの時間は、神様から与えられた学びの時間だったと思います。人生をどう生きるかってことを深く考えましたよ。」

からだもこころも癒えるのに5年ほどかかりましたが、今年の夏、ようやくダンスのレッスンを再開することができました。長いトンネルを抜けた今だからこその、タンゴへのチャレンジなのです。

「私ね、歳をとっているからできないとは言わないの。だって、やってみなくちゃわからないでしょ?」

安藤さんとの出会いは、戦争体験をうかがったときのことでした。太平洋戦争中の台湾での暮らしと戦後の引揚げ体験を話して下さったのですが、日常のこまごまとしたことをよく見聞きして覚えていらっしゃって、きっと好奇心いっぱいの少女だったんだろうなあと思ったものです。安藤さん、今もその頃のままです。

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若い頃は鹿児島で養護教諭を務め、結婚後はご主人の職場のある千葉で専業主婦として暮らした安藤さん。子育てが一段落してからは看護学校で教鞭をとり、鹿児島と千葉、遠距離での老親の介護も経験しました。

戦中戦後を生き抜き、間もなく86歳。今は、ご主人を亡くした娘さんと暮らし、仕事に忙しい娘さんをサポートしようと家事を担いながら、趣味にボランティアにと充実した毎日をすごしています。

「私ね、一日一日を精一杯に過ごしたいんです。ただそれだけなんですよ。一度しかない人生ですもの。」

今を大切に生きる安藤さん。目下の目標は、来年5月の発表会で、タンゴを披露すること。安藤さんなら、きっと華麗にこなしてしまうことでしょう。

その晴れ姿、ぜひ、拝見したいです!

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