以前、「てのん」でご紹介させていただいた「森の玉里子ども食堂」

2年前の6月、鹿児島市で産声をあげました。当時は「子ども食堂って何?」知らない人がほとんどだったそうです。
この本は、手さぐりで始まった「子どもの食堂」立ち上げの話から、そこに込めた思い、試行錯誤しながら共感の輪を広げてきたこの2年間のあゆみが綴られています。「森の玉里子ども食堂」を立ち上げた園田愛美さんから、この本に込めた思いのメッセージが届きました。
この本で思いを届けたい…
「子ども食堂が地域の子供達みんなの居場所になるように、また、『あなたのことをいつも応援しているよ。』と言う気持ちを子どもたちに伝えられるようにと、探りで活動をしてきました。
試行錯誤の様子や子ども食堂に込めた思いを感じ取っていただければ嬉しいです。よく、子ども食堂は『本当に必要な子供のためになっているの?』と言う声をいただきます。でも、経済的なことであったり、人とのつながりであったり、子ども食堂に来るみんなが、子ども食堂を必要としているからおいで下さっていると思っています。
活動を始めて2年。最近、子育てや生活の困り事を、ボランティア参加者の垣根を越えて出し合えるようになりました。また、地域の新しいコミュニティの一つとして、多様な人がつながり、子どもたちが家庭だけではできない経験や体験を深める場所にもなっています。
地域のつながりが薄れていると言われている今、子ども食堂が昔からあった『お互い様』や『子どもは地域の宝物』という気持ちを地域みんなで改めて実感できる場所になれると嬉しいです。」
本には、園田さんが小学校の教員として、多様な環境をしょって登校してくる子どもに大人として何ができるのか自問自答し続けたこと。母親になって感じた社会や地域とのつながりを築けない孤独感など…『子ども食堂』立ち上げを決心するまでのこもごもの思いが、真っすぐに綴られています。
「その後、鹿児島でも次々に子ども食堂が誕生。
今、31ヶ所もの子ども食堂が出来て、それぞれに活動を行っています。子どもの貧困が言われる中、あたたかいごはんをみんなで囲むことの大切さ、子どもの育ちをみんなで支援していくことの大切さが、改めて見直されています。園田さんたちは、「子ども食堂」を一時のブームにしたくないと考えています。地に足をつけて、それぞれの色を持った「子ども食堂」が長く続いていくことを願って、自分たちの経験が、何かの力になればと考えています。
私たち流のやり方をご紹介しています!
本には、ボランティアをどのように募集しているのか、食材の確保や資金の調達はどうしているのか等、悩みながら経験の中で培ってきた「森の玉里子ども食堂」なりのやり方が具体的に書かれていて、これが後に続く人たちの応援になればと考えています。
子ども食堂「自慢のレシピ」も載ってます!
ふだんのおうちの台所でも役立ててほしいと、料理自慢のボランティアのお母さんたちが選んだお薦めのおかずや、デザートのレシピも載せました。
みんなでつくる子ども食堂!
たくさんの方の善意やボランティアで支えられている「子ども食堂」。その活動に関わっている人たちからのたくさんのメッセージも掲載されています。
鹿児島の子ども食堂の牽引役として…
「森の玉里子ども食堂」は、その活動についてのお話する機会も多いそうです。

代表を務める齋藤美保子先生もこの日、「子どもの貧困と子ども食堂の役割」についてのお話しをしました。
「森の玉里子ども食堂」代表 齋藤美保子先生(鹿児島大学教育学部 准教授)
「子どもの貧困は確かに深刻です。鹿児島は子どもの貧困率ワースト3という喜ばしくない数字も出ています。でも、私たち「森の玉里子ども食堂」は、「日本一明るい子ども食堂」を目指してやってきました。やってみて、おいしい食事をいただきながら、みんなでホッできる安どの場所があることがどんなに必要だったかを実感しています。私たちの実践が、よその地域で暮らす子どもやその周りの人たち、ボランティアをしたいと思っていらっしゃる方、これから子ども食堂を立ち上げたいと思っていらっしゃる方たちの何かのお役に立てればと思います。是非、お手にとってみて下さい。」
本のお問い合わせ先
発行所:南日本出版株式会社
〒892-0836
鹿児島県鹿児島市錦江町8-21
TEL: 099-224-8720
FAX: 099-227-0895

※ 「森の玉里子ども食堂」の活動については「てのん」でも紹介しています。
是非、ご覧ください♪
