障がい者も住みやすいユニバーサルデザインの賃貸マンションが出来た!

今年4月に鹿児島市に完成した5階建ての1Kマンション。
一見すると普通のマンションですが、あちこちに車いすの方も住みやすいような工夫がほどこされているユニバーサル・デザインの賃貸マンションなんです。

これが、そのマンション!
これが、そのマンション!

福祉施設や介護付きの老人ホームなどでのバリアフリー仕様は当たり前ですが、一般向けの賃貸住宅となると、とても珍しい話。

作ったのはどんな人?どうしてこんなマンションを作ろうと思ったの?色々なことを聞いてみたくなって、その方を訪ねました。

ユニバーサル・デザインの賃貸マンションを作った 窪勇祐さん
ユニバーサル・デザインの
賃貸マンションを作った
窪勇祐さん

このマンションをつくったのは、鹿児島市で不動産業を営む窪勇祐さん(39)。

これまでもシングルマザーのシェアハウスやマンションの一室を利用して交流スペースを作るなど、住まいを提供する専門家の視点で、新しいアイディアをかたちにしてきました。

無いなら作ってしまおう!

このマンションを作るきっかけとなったのが、ある車いすの方との出会いでした。

車いすの矢野剛教さん(右手前の方)との出会いが窪さんの心を動かした!
車いすの矢野剛教さん
(右手前の方)との出会いが
窪さんの心を動かした!

「部屋探しをしている矢野さんと出会って、障がい者の方々が部屋探しにとても苦労しているという現実を知りました。仕事柄、これまでも車いすの方のお部屋探しをお手伝いしたことがありましたが、契約まで結びついたことはありませんでした。まず、貸す側が躊躇する。(床に車いすの傷がつく、退去時にトラブルになりたくない等)また、住まいそのものに段差など何かしらのバリアがあって、そのままでは住みづらい。賃貸となると自由に改造も出来ないし、改造したとしても引っ越す時には元に戻さなきゃならない…とにかく数え上げればきりがないほどの課題があることが分かったんです。無いなら、こんな問題点を解消するような、賃貸マンションを自分たちで作ってしまおうと!と思ったんです。」

「車いす・マンションプロジェクト」始動!

こうして、「車いす・マンションプロジェクト」が動き出しました。
車椅子の人もメンバーに加わり、「こうしてほしい、こうしたら住みやすくなる」という声を反映させていきました。

プロジェクトメンバーはこの7人!意見を交わし、一から作りあげました!
プロジェクトメンバーはこの7人!
意見を交わし、一から作りあげました!

こうして、みんなの声を積み上げて、これまで無かったような発想のマンションが出来上がったのです。
(全20室のうち、一階の4室が車いす対応のつくり)

  • 障がいのある人にとっても、無い人にとっても住みやすく、一緒に暮らせる賃貸マンション
  • DIY(改造)出来る(原状回復の必要なし)
  • 交流のためのレンタルスペース付き(自立のためのコミュニティづくり)

マンションを拝見させていただきました!!

まず、マンション入り口から部屋へと通じるエントランスには、段差がありません。

エントランスはスロープに…部屋の入口まで段差無しで行けます!
エントランスはスロープに…
部屋の入口まで段差無しで行けます!

「マンションなど集合住宅のほとんどが、この部分に段差や階段があって、車いすの方が一人で自由に外出することを難しくしています。外出の度に誰かの手を借りなければならないって不自由ですよね。自立した生活の妨げになるバリアは、出来るだけ取り払う事にしました。」

1Kで家賃は1ヶ月 43,000円~46,000円(間取りは全4タイプ)
1Kで家賃は1ヶ月 43,000円~46,000円
(間取りは全4タイプ)

部屋の中にも様々な配慮と工夫がありました。

キッチンのシンクの高さは低く、車いすの方でも調理ができるような仕様に…
キッチンのシンクの高さは低く、
車いすの方でも調理ができるような仕様に…
車いすでも移動しやすい扉のないキッチン
車いすでも移動しやすい扉のないキッチン
車いすでも服を掛けられるクローゼット
車いすでも服を掛けられるクローゼット
障がい者も住みやすい賃貸マンションを作った  窪 勇祐さん
障がい者も住みやすい賃貸マンションを作った
窪 勇祐さん

「これらは、大きなコストがかかるわけではありません。ちょっとした工夫で出来ること。車いすで床に傷がつくという問題点も上下2種類のクロスを張ることで、傷がついたら下だけ張り替えれば良いようにしました。

上下ツートンカラーのクロスを張って張り替えやすい工夫を…
上下ツートンカラーのクロスを張って張り替えやすい工夫を…

「そして、一番こだわったのが、「原状回復しなくてよい」という点です。新築の賃貸マンションでは、まずないと思いますが、自分が使いやすいように、好きなようにどんどんDIY(改造)してほしい。手すりや介護用品を取り付けてもOK。自分らしい部屋づくりも楽しんでほしい。」

オシャレに楽しく暮らしを楽しんでほしいとDIYを提案
オシャレに楽しく暮らしを楽しんでほしいとDIYを提案

「車いすマンション・プロジェクト」チームのみなさんも出来上がったばかりのマンションを見学して満足そうです!

このキッチンなら車いすでも大丈夫!
このキッチンなら車いすでも大丈夫!
部屋の電気スイッチやオートロックの高さもこれならOK!
部屋の電気スイッチやオートロックの高さもこれならOK!
「こんな部屋だったら一人で住める!」という思いをかたちにしました!
「こんな部屋だったら一人で住める!」
という思いをかたちにしました!
笑顔の車いすマンション・プロジェクトのみなさん!
笑顔の車いすマンション・
プロジェクトのみなさん!

窪さんがもう一つのこだわったのが、一階にレンタルで誰でも利用できる交流のための一室を設けたことでした。

レンタルスペースの一室(3時間1000円で誰でも借りられるレンタルルーム)
レンタルスペースの一室
(3時間1000円で誰でも借りられるレンタルルーム)

「障がい者の方々が日頃から交流する場がとても少ないということを知りました。使い方はアイディア次第、入居者同士で交流会をしたり、様々に活用してほしいです。共同住宅の一室が、みなさんたちが、繋がり合う場所となれば嬉しいです。もちろん入居者以外の、どなたでも利用できますので、是非ご活用ください。」

マンションの名は「ツクルUD(ユニバーサル・デザイン)」

この名前には、・自分で自分の部屋を「ツクル」・人との繋がりも「ツクル」・自分の将来も「ツクル」そんな思いを込めたそうです。

ここから、暮らしを「ツクル」繋がりを「ツクル」将来を「ツクル」
ここから、暮らしを「ツクル」
繋がりを「ツクル」
将来を「ツクル」

「僕たちの住める家って無いんですかね?」という一人の車いすの方の声に心を動かされスタートした「障がい者も住みやすい賃貸マンション」づくり。窪さんは、こう話します。

「ツクルUD」のオーナー (有)窪商事 窪勇祐 代表取締役
「ツクルUD」のオーナー 
(有)窪商事
窪勇祐 代表取締役

「これまで不動産業界は、車いすなどハンディを抱えた人のニーズに対応出来ていませんでした。でも安心できる住まいがあれば自立して地域の中で暮らしていける人がいる。その為にこの業界の意識も変わらなければいけないと思います。小さな一歩かもしれませんが、不動産業界の『健常者優先』の意識が少しずつ変わっていけばと思っています。」

不動産業界にユニバーサル・デザインの風を…

マンション「ツクルUD」一階の掲示板に手づくりの「この町マップ」が貼られていました。

窪さん手書きのマップでした!
窪さん手書きのマップでした!

窪さんは、この隣町で生まれ育って、この地域をフィールドに町の不動産屋として奮闘しています。

この地元が大好きなんだそうで、マップには、「ツクルUD」を真ん中にして、食べ物屋さん、お店屋さん、公共施設などが温かなタッチで描かれていました。

マップにあった「住みやすいよ!鴨池2丁目エリア」の言葉は、一緒にこの町の一員になって自立の一歩を踏み出してみませんか?という窪さんからの問いかけのように聞こえました。

お部屋はまだ空きがありますよ♪
お部屋はまだ空きがありますよ♪

ツクルUDのお問い合わせ先

障がい者も住みやすいDIYマンション!
障がい者も住みやすいDIYマンション!

オーナー (有)窪商事 代表 窪勇祐

鹿児島市下荒田3丁目33-8
TEL: 099-251-8822
管理会社 (株)ツインビー 代表  田中祐介
鹿児島市西田2丁目11-7
TEL: 099-822-6666

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投稿者: てのん記者