ツタンカーメン豆というエンドウ豆をご存知でしょうか?
鹿児島の実家の小さな庭に、毎年母が植えているのですが、今年も、収穫の時期を迎えました。
これが、ツタンカーメン豆です。
さやの形はエンドウ豆に似ているのですが、さやの色が濃い紫色をしています。
このツタンカーメン豆、その名前がつけられているように、起源は古代エジプトといわれています。
1922年、ツタンカーメンの王墓が、イギリスの考古学者ハワード・カーター氏によって発見されました。
ツタンカーメンのミイラや黄金のマスクなど多くの副葬品の中にエンドウ豆もあり、そのエンドウ豆が奇跡的に発芽し、栽培に成功。「ツタンカーメンの豆」の子孫として各国に広まったとされています。
日本には、1956年にアメリカから伝わり、古代エジプトの豆として主に学校関係など教育機関を中心に広まったようです。
(旬の食材百科 FoodsLink.jp参照)
実家で育てられているツタンカーメン豆も、学校の教師をしていた父が、40年程前、教材用の種を同僚の先生から譲り受けたもの。
それ以来、毎年植えて種を取り、栽培し続けています。
ツタンカーメン豆も、エンドウ豆と同じ、収穫の時期は春から初夏にかけて。
先日、鹿児島の実家から、母が収穫したものが送られてきました。
さやから豆を出すと・・・
きちんとお行儀よく豆が並んでいて、その姿がなんとも可愛らしい!と思います。
さやは濃い紫色ですが、見ての通り、中の豆はエンドウ豆と同じ緑色をしています。
しかし、この豆で豆ごはんを炊くと、ちょっと不思議なことが起きるんです。
3合のお米に2カップ半ほどのツタンカーメン豆。
これを、エンドウ豆ごはんと同じ要領で、炊飯器に一緒に入れて炊きます。
(塩を少し加えて下さい)
さて炊き上がりました。
炊きたてのツタンカーメン豆ごはんです。
炊きたては、おなじみのエンドウ豆ごはんと変わりませんよね。
ところが、半日ほど保温し続けると・・
ごはんが、ほんのりピンク色に変化しているのがお分かりですか?
いつもは、このあたりで食べ終わってしまう事が多いのですが、皆さんにもっと変化をお見せしたいので、もう少し保温してみることにします。
すると・・・
まるでお赤飯のようにごはんが赤色に染まりました。
ツタンカーメン豆ごはんは、保温しておくと、時間が経つにつれ色が赤くなっていく、ちょっと不思議な豆ごはんなんです。
味は、ほとんどエンドウ豆ごはんと変わりませんが、少しエンドウ豆よりも甘い感じがします。
スーパーなどでは、今、エンドウ豆が店頭に並んでいますが、なかなかツタンカーメン豆を見かけることはないですよね。インターネットで種は購入できるようです。
さて、このツタンカーメン豆、本当にツタンカーメンの墓から出土した豆が起源なのか?
疑問を唱える説もあり、真偽のほどはわかりません。
しかし、ツタンカーメン豆というネーミング、そして、時間とともに色が変わる不思議さ。ちょっと高貴で魅力的な野菜に感じます。
ツタンカーメン豆ごはんも、我が家では旬の味です。