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「食・レシピ」

桜島大根をとことん味わうレシピ とんこつ、ステーキ、干し大根


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桜島大根は、鹿児島では「しまでこん」と呼ばれ、今が旬。

その大きさや美しさを競うコンテストが開かれたり、桜島フェリー上では重量当てクイズがあったりと、この時期ニュースの顔です。近所のスーパーには、東桜島小学校の3・4年生が育てた桜島大根が売られていました。地域の食文化や伝統を学習する一環として、種から育て、せりの様子まで見届けるのだそうです。これはぜひ、あじわってみたい!

子供のあたまくらいの大きさ! 収穫の様子を描いた画とお手紙付きです。子供のあたまくらいの大きさ!
収穫の様子を描いた画とお手紙付きです。

どんな調理法でもおいしい桜島大根ですが、きめが細かくて煮崩れしにくいので、煮物にぴったり。真っ先に思いついたのは、鹿児島の郷土料理「豚骨」です。もともとは、薩摩武士が戦場や狩場で作ったのが始まりといわれている料理です。それぞれの家庭に作り方があると思いますが、ここでは母から教わった作り方をご紹介します。
桜島大根の大きさ次第でお好みの量
スペアリブなどの骨付きの部位やなん骨など

材料

豚骨    約500g(スペアリブなどの骨付きの部位やなん骨など)
桜島大根  半分くらい(桜島大根の大きさ次第でお好みの量)
にんじん  2本くらい
こんにゃく 一枚(下ゆでしておくと味しみがいいです)
しょうが  1かけ(薄切りに)

みそ    120g(約大さじ6)
黒砂糖   大さじ2
焼酎    100cc
しょうゆ  小さじ1(仕上げに入れる)

大きめの鍋に大さじ3の油を熱し、豚骨を入れて表面に焼き色をつけます。こんがりとしてきたら焼酎を回しかけ、煮立てます。

強めの火でしっかり焼きます強めの火でしっかり焼きます

豚骨がかぶるくらいに水を入れ、味噌の半量を溶かし入れ、黒砂糖の半量、しょうがを加えます。煮立ってきたら火を弱めてアクを取り、ふたをして、ごく弱火で1時間煮込みます。

その間に、桜島大根、にんじんを、豚骨くらいの大きさに切り分けます。こんにゃくは塩もみしてから大きめに切り、さっとゆでます。

豚骨を1時間煮込んだところ豚骨を1時間煮込んだところ

桜島大根、にんじん、こんにゃくをくわえて、ひたひたになるまで水を足し、残りの味噌と黒砂糖を加えます。ふたをしてごく弱火で、さらに1時間半ほど煮込みます。仕上げにしょうゆ小さじ1を加えてひと煮して、できあがり。いちど冷ますと、より味がしみこみます。

さらに煮込んだところさらに煮込んだところ
できあがりできあがり

桜島大根に、豚肉に、焼酎、黒砂糖と、鹿児島のオールスターでつくる豚骨。うまみを全身に抱き込んだ桜島大根はしっとりほくほく、お肉はほろほろ。お鍋を囲みながらあつあつを食べれば、体が芯から温まります。

残りの桜島大根は、このところの寒さを生かして、干し大根に変身!

寒にあたってうまみアップ中!寒にあたってうまみアップ中!
干して3日であめ色に干して3日であめ色に

大根ステーキも作ってみました。

こんがり焼き色をつけてこんがり焼き色をつけて
醤油をからめて醤油をからめて
鰹節としそはたっぷりと鰹節としそはたっぷりと

1㎝くらいの厚さで適当に切り分けた桜島大根を、大さじ2のごま油で、両面を4分くらいずつ中火で、ふたをして焼きます。仕上げにしょうゆ大さじ1を回しかけてからめ、たっぷりの鰹節としそを乗せてできあがり。桜島大根のみっしりとした食感と優しい甘み、それに鰹節のうまみが加わって、お箸がとまりません!

桜島大根はとても大きいので、食べきれないのではと、なかなか買う勇気を持てずにいましたが、東桜島小学校のみなさんのおかげで思い切って買うことができて、そのおいしさを改めて知ることができました。ちょっと手間はかかりますが、鹿児島の大切な伝統野菜、食べて守っていくこともできるのかな、と思います。

じっくりことこと豚骨を煮ながら、干し大根をこしらえて…。出かける予定のない寒い日は、桜島大根と冬ごもり、なんていかかでしょう。

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