先日、地域の3つの小中学校合同での竹取りを済ませたお父さんたち。
竹を半分に割って門松のはかまの高さに合わせて切りそろえ、下準備完了です。
師走の日曜日。朝から休日返上で門松づくりに奮闘です。
伝統の3校合同の門松づくり。毎年続けてもう13年になります。
この学校は、一段目1・2メートル、2段目80センチのジャンボ門松です。
半割り竹を2段にして、崩れないようにしっかりみんなで締めていきます。
その門松のはかまの土台も各校オリジナルなんです。
門松づくりには、いろんな人が参加しています。
こんな人も参加しています。
各学校の校長先生や教頭先生も参加して下さっています。
「有難いですよね。お世辞抜きに、ここの人たちはあったかい。」
坂元小学校の長(おさ)大村博昭さん(現役おとうさん)は…
子どもたちを前にすると、ますます力が入ります。
「一人はここに通ってます。もう一人は来年からお世話になります。」
門松は年々、進化。各学校で工夫が凝らされています。
坂元台小学校では、6年生に目標を書いてもらいました。
現役とOBの息もぴったりのご様子です。
「もちろん、楽しいです。自分たちが楽しんで、おやじたちが頑張ってるとこを見せないとね。」
しばらくすると、何やらとっても存在感のあるお父さんが登場。
この門松づくりのファーストメンバーで、元祖・長(おさ)という方でした。
「みんな頑張っとるねぇ。父ちゃんたちが、頑張ればいい。昔は家長に父ちゃんがいて、何か存在感があったのよね。でも何か今、世の中おかしいよね。
こうして父ちゃんたちが、まず外に出て行かんといかん。」
「現役の父ちゃんたちが、頑張らんといかんよ~現役、頑張れ~」
OBの父ちゃんたちは、エールを送り、現役父ちゃんたちに任せる!
「現役主導」が伝統の流儀です。
「ほら、千両は水を入れんとダメよ。千両と杠葉(ゆずりば)は水!そう覚えてよ。」
もう現役、OB、先生、生徒、卒業生 誰が誰だか分からないままに入り乱れて、よその学校を手伝ったり、OB同士は年に一度の再会を懐かしがったり…
「いや~やっぱり先輩方がいてくれて、大助かりです!」
4時間が経ち
この地域にある3つの小中学校それぞれに立派な門松が完成しました。
元・長(おさ)のひとり、大木場真一さんは
「門松って、年神様(お正月に各家にやって来る幸せをもたらす神様)が元旦にこれを目印に降りてくるって言われてますよね。みんな自分の家ではもうしなくなったけど、子どもがお世話になっている地域の学校では、これを大事にして、みんなで守っていきたいんです。」
休日を返上しての「父ちゃんたちの門松づくり」
仕事に家庭と日々忙しいお父さんたちにとって、この伝統を継承していくのは大変な一面もあることでしょう。
子どもたちの健やかな幸せを願う「父ちゃん魂」が伝承されて今年も年の瀬の学校が温かく彩られました。
学校という場が、地域にとって大切なコミュニティであるということを再認識しその場所に頑張る父ちゃんたちの姿があることが、とても豊かに感じられました。
お正月まであとわずか。
どっしり鎮座した「父ちゃん門松」を目印にきっとそれぞれの学校の子供たちの元に幸せをもたらす年神様がやってきてくれることでしょう…
みなさんの家々にも幸せの使者・年神様がやって来ますように…