師走に入ると、この町の父ちゃんたち恒例の大仕事がやってきます。
総勢30名。防寒服に身を包み、竹林に入っていきます。
そう、この地域にある3つの小中学校合同の門松づくりが始まるんです。
日曜日の朝8時。
集まったのは…
3つの学校のPTA、「おやじの会」そして「おやじの会OB」のみなさん。
それぞれの学校には、長(おさ)と呼ばれるリーダー(現役のお父さんたち)がいて、みんなをまとめます。
そしてこの現場を仕切っているのが、「おやじの会OB」の大木場真一さん。
大木場さんのお子さんもその昔、この町の学校から巣立っていきました。
「その頃は、それぞれの学校で小さな門松を作ったり、先生たちが買いに行ったりしてたんですよ。よし、子どもたちのために、一肌脱いで自分たちで作ろう。どうせするなら3校一緒に…となったんです。」
地元の竹林を所有している方と掛け合ったら「どうぞ。使ってください」との嬉しい返事がもらえました。
もう13年続いている年末恒例の行事です。
孟宗竹の切り出しは、想像以上に危険を伴う力仕事。声をかけあいながらの真剣作業です。
山仕事ベテランOBの声が響きます…
「これは採ろう、これは残そうと」来年のことも考えながら、慎重に切り出していくのです。
切り出した竹を引き出し隊が受け止めて、運搬隊が運び出します。
自然にそれぞれの役割分担出来ていて、とてもスムーズ。あうんの呼吸を感じます。
チェンソーで奮闘中のお父さんは、おやじの会OBの川﨑竜さん
「おやじ繋がりの輪が広がって、来年2月には鹿児島おやじの会サミットも開かれるんですよ!」とおやじ力をアピール!
ここからは恒例の「竹」ドラフトじゃんけん!勝った順に立派な竹を持って帰れるというルール。
現役父ちゃんも…
子どもも…
「みんなとワーワー言いたくて、毎年来てます。」
こうしておよそ2時間。今年の「竹取りものがたり」が終了しました。
「どうですか?みんな楽しそうでしょ。」とちょっと誇らしそうな大木場さん。
「ここは社長さんも、ふつうのおじさんもみんな一緒。それにこれって決して一人ではできないことですよね。こうしてみんなが毎年集まってそれがずっと続いているってことが嬉しい。」
子どもたちのためにと始まった竹取物語…
その「思い」が繋がれてこそ、その町の「伝統」になっていく…
子どもたちのために一肌脱ぐ「父ちゃん魂」がちゃんと現役世代に受け継がれているんですね。
竹林の所有者、大重祐三さん(88)が歩行器を押して、みんなの様子を見に出てきて下さいました。
「毎年、有難うございます!」
大重さんもまた、子どもたちがこの学校で育ったひとり。
「自分たちの頃は、お父さんたちがこんなに元気だったたかなぁ。あの頃はお母さんたちの方が強かったよ。」と大重さんもまた嬉しそう。
さあ、次の日曜日は、いよいよ3校それぞれが門松づくりに挑みます。
「頑張っど~」ここからが、父ちゃんたちの本領発揮!
どんな門松がお目見えするのか…
次回の門松つくるぞ!パート②お楽しみに~♪