お米十粒ほどの雑炊

今回は、戦争中の食べ物について少しお伝えしましょう。

都会に暮らしていた人、田舎に暮らしていた人、住んでいた環境によって少し食料事情も違っていたかもしれませんが、現在の鹿児島県薩摩川内市で戦時中を過ごした母(84)に聞いた食べ物の話です。

母の実家は、広い田んぼや畑を持っていて、お米はもちろん麦や大豆、かぼちゃやさつまいも、季節の野菜と、家族が日々食べる食料は、自給自足でまかなえていました。

ですから戦争が始まった頃は、国民学校に持って行くお弁当も、麦の入ったご飯に梅干しの、いわゆる「日の丸弁当」や、麦ごはんにさつまいもの入った「さつまいもご飯」を持って行くことが出来ていました。
「日の丸弁当」や、麦ごはんにさつまいもの入った「さつまいもご飯」

「日の丸弁当」や、麦ごはんにさつまいもの入った「さつまいもご飯」

ところが、戦争が長引くにつれ、食糧事情はどんどん悪くなっていきました。なぜかというと軍への食料供出があったからです。

戦地で戦っている何万・何十万という兵士のために、相当な量の食料を戦地に送らなければなりません。また、消費者に一定量の主食を公平に配給するためにも、供出制度をとっていたのです。

では、供出制度とはどういうものなのでしょうか?

 

供出制度

米や麦などの一定量を政府が農家から強制的に買い上げる方式のことです。農家は、自分の家で消費する米以外の全量を供出していました。しかし、この自家消費米も厳しく査定されました。

そして、昭和19年産米からは、一層厳しくなり、収穫前に作付面積に応じて供出が決められていました。たとえ不作でも、決まった量の米を供出しなくてはならないのですから、農家にとっては、ますます厳しい状況になっていたと思われます。

母の家でも、供出した後は、米は満足に残っていなかったそうです。

毎日、野菜を刻んで入れた雑炊が主食となりました。はじめは雑炊に入っている米の量も多かったそうですが、日に日に少なくなり、最後の方は、お椀に米が10粒ほどしか入っていないほとんど野菜だけの雑炊になりました。

お米10粒ほどの雑炊
お米10粒ほどの雑炊

そして、農家以外の家庭も自由に米を買えなくなります。米の配給を受けるには通帳が必要となり、しかも家族数に応じて一定の決められた量しかもらえませんでした。

家庭用米穀通帳
平和資料展 軍都久留米の風景とくらし より

つまり、戦時中は、たとえ農家であっても米はなく、農家以外の家庭も十分な米の配給を受けられない、深刻な食糧不足の時代であったのです。

先日「見て感じて戦時中のくらし」の中でも紹介した当時のポスターです。もう一度詳しく読んでみると・・

 

当時の青年団が作ったポスター
当時の青年団が作ったポスター

1には、お粥をすすって供出して戴いたお米です。農家の皆さん有難うございます。
と、書かれています。

日本中どこの農家も供出に苦しみ、お粥や雑炊を食べて耐え忍んでいたことがわかります。
そして、農家以外の家庭には「腹一杯は勿体ない・・」と節食を呼びかけているのです。

母の話に戻ります。
戦争が始まった当初は、学校に日の丸弁当などを持って行くことが出来ていましたが、後の方になると、お米がないので、ゆでたさつまいも一個だけとか、かぼちゃの煮つけだけを持って行くという時もあったそうです。

ゆでたさつまいも一個だけとか、かぼちゃの煮つけだけを持って行く

ゆでたさつまいも一個だけとか、かぼちゃの煮つけだけを持って行く

お弁当を持って来られない友達もいて、自分もお腹がすいているけれど、お弁当を分けてあげたこともあったそうです。

そして、肉や魚も流通しなくなってきたので、日々の食事の中で、肉、魚、卵といったタンパク質をとることはほとんどなくなりました。少しでもタンパク質をとるために、イナゴをたくさんつかまえて食べたこともあったそうです。こういう食生活でしたから、多くの子供たちは栄養失調状態で手足はやせ細っていました。

いつもお腹をすかせていて、「お腹いっぱいご飯を食べたい」と思っていたそうです。

米十粒ほどの雑炊
米十粒ほどの雑炊

少し想像してみてください。日々の食事が、米が十粒ほどしか入っていない雑炊だけ。お肉やお魚のおかずもないのです。甘いお菓子などおやつも食べられません。育ち盛りの子供にとってどんなにひもじくて辛い毎日だったでしょう。

戦争を遂行するために、これほどの耐乏生活を国民に強いていたんですね。

スーパーに行くと、「新米入荷!」という広告が貼られていました。新米が店頭に並ぶ季節になりましたね。

白いご飯を、子供たちにも食べたいだけ食べさせてあげられる、ありがたい時代だなあと、スーパーのお米コーナーに高く積まれた新米の袋を見ながら、ふと思いました。

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投稿者: てのん記者