随分しのぎやすくなり、旅ごころに誘われて
以前から行きたいと思っていたあの場所へ…
桜島フェリーで15分。
眼前に桜島。潮風を浴びながら、しばし短い船旅。
外国人の方もちらほらいて、東洋のナポリっぽい!?(行った事ないけど…)
やはり絵になるロケーションです。

対岸の桜島に渡り、車を走らすこと一時間半、大隅半島を南へ、南へ…

のどかな里山を通って…
九州本土最南端の町、南大隅町へと向かいます。
いよいよその場所が近づいてきました。
近くに古い神社もあって雰囲気あります。

鬼丸神社(南大隅町・根占川北)
鳥居の横にはアコウの大木と仁王さま。神仏混淆の名残、鎮守の森の雰囲気です。
神社を過ぎると…
え~?? うっそ~

そこに向かう長い車の列。
日曜日だから?でも、もう夕方なのに!
車の誘導をしていらっしゃったおじさんによると「日曜日はこんな感じだよ。県外だけ
じゃなくて、最近は外国の人も来るよ。」何やら、注目の地になっているようです。
車は一向に動きません。
相方にハンドルを任せ、ちょっくら寄り道することに…
鎮守の森の神社の階段を駆け登ります。


苔むしたうっそうとした森の中のお社を目指してひとっ走り。
里山のすぐ近くに、これだけ樹種豊富な自然林が残っているところは珍しいようです。
長い間、神域として守られてきたのかもしれません。


参道のすぐ近くで、田の神さぁ(タノカンサァ)も発見!
この一帯が、古くから農民の心の拠りどころだったのでしょう。

薩摩独特の農民信仰のシンボル、田の神さぁ。とても素朴なお姿でした。
しかも、大隅地方で一番古い田の神さぁと聞いて、得した気分♪
やっぱり寄り道してみるものです。
車が動き出しました。慌てて戻り、町道を走ること2キロ。
やっと駐車場に着きました。


さぁ、ここからは歩きです。遊歩道は片道1.2キロ。
この町を流れる雄川の渓流に沿って、上流を目指します。
じわっと汗が滲んできますが、森の澄んだ空気と渓流の音に癒され、気持ちよく歩けます。
ちょうど中間点のあたりに休憩スポットがありました。
水が驚くほど澄んでいます。

澄み切った水を前に足を漬けたり、触ったり、思わず水遊びしたくなります。


さあ後半のウォーキング。目ざせ、マイナスイオン!
歩くこと、およそ20分。その滝はいきなり現れました。


わぁ~♪これが噂の「雄川の滝」!
展望台に登って眺めます。
南大隅町・雄川の上流にある落差46メートル、幅60メートルの滝。

断崖絶壁の荒々しい岩肌と水のカーテン。そのスケールの大きさと滝つぼのエメラルドグリーンにしばし癒されます。

滝の向こうから、ささ~っと涼しい風が渡ってきました。
目を閉じて澄み切った空気をいっぱい吸い込んだら「気持ちいい~」と思わず声が出てしまいました。これぞまさにマイナスイオン効果!

この滝は、5年ほど前までは、地元の人しか知らないような無名の滝でした。
それが地元の地方銀行のカレンダーに掲載され、その美しさが静かな評判となり、以来、メディア、インターネット、インスタグラムで…次々に発信され、一躍、時の滝となっていったのです。

この日、名古屋から来たというスペイン人のグループも、インターネットで見て知ったそう。
人口7600人あまり、県内で一番高齢化が進む町、南大隅町は今、ちょっとした滝ブームに沸いています。
この小さな町に、この滝を見たさに一日1500人もやって来た日があったと言うんですから。

その昔から、ず~っとこの町にあり続けた自然美。それがこんなお宝だったとは!
この場所が、静かに、長く愛されることを願いながら、雄川の滝にサヨナラをしました。
帰り道…

対岸にはうっすらと開聞岳
錦江湾に面した海岸線にある荒平天神に、少しだけ立ち寄りました。
鳥居が砂浜に建っている珍しい神社です。




荒平天神(鹿屋市)
すっかり日暮れが早くなった砂浜で
往く夏を惜しむように、思い出づくりをする人たちの姿がありました。
晩夏の夕暮れ。桜島遠くには、きれいなお月様が浮かんでいました。
絶景の滝の素晴らしさはもちろんでしたが、車を降りて寄り道した先で出会う素敵な風景もまた心に残る旅でした。
【雄川の滝に行かれる方へ~南大隅町役場の方に聞きました~】
- 観光客の増加に対応して、駐車場はその後、100台分整備されました。
- 遊歩道は少しアップダウンがある道です。歩きやすい靴・服装での散策をおすすめします。
- 雄川の滝は、光の具合で水の色が変化するのも魅力です。天候や季節にもよりますが、正午から午後2時頃までが最もきれいと言われています。
- 根占港から人気観光地をめぐる周遊バスが毎日運行しています。雄川の滝の他、県本土最南端の佐多岬などを巡るコースです。(一日一便)対岸の指宿から出航している高速船に乗って指宿観光をした後、南大隅町観光というプランが実現できます。
(問い合わせ:南大隅町観光協会0994-24-3120)
雄川の滝の他、県本土最南端の佐多岬や物産館など人気観光地を巡るは、一日コースです。
(一日一便)対岸の指宿から出航している高速船とも接続しているので、指宿観光をした後、南大隅町観光というプランが実現できます。
予約優先で空きがあれば乗車できます。
お問い合わせ:南大隅町観光協会
TEL:0994-24-3120
【雄川の滝についてのお問い合わせ先】
南大隅町役場観光課観光推進係
TEL:0994-24-3115