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「福祉」

介護予防でも注目!旬な健康づくり!ノルディック・ウォークのすすめ


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平昌オリンピックが始まりましたね。南国で暮らす私たちにとって、冬のオリンピックは見たこともない競技がいっぱい。

そんなちょっと遠い存在のスポーツをテレビで観戦するのもオリンピックの楽しみのひとつですよね。
きょうは、スキーやジャンプなどノルディック競技の発祥の地・北欧で生まれた、注目の健康づくりについてご紹介します。

毎月、第2土曜日の朝。
鹿児島市の加治屋町周辺の歴史スポットを歩きながら健康づくりをしている人たちがいます。

月に1回、およそ1時間のノルディックウォーキング!月に1回、およそ1時間のノルディックウォーキング!

皆さんが手にしているのは2本のポール(ストック)これを使って歩くとより高い運動効果が得られるという注目のフィットネスウォーキングなんです。

午前8時 大久保利通生い立ちの地に集合(鹿児島市加治屋町)午前8時 大久保利通生い立ちの地に集合
(鹿児島市加治屋町)

まずは、準備運動。インストラクターの先生の指導で、ウォーミングアップです。

ウォーキングライフマイスターの中澤誠吉さんウォーキングライフマイスターの中澤誠吉さん
ポールを使って、体をほぐしますポールを使って、体をほぐします
参加者は40代から80代のみなさん参加者は40代から80代のみなさん

準備運動が終わると、いつものように、まずこちらにご挨拶です!

西郷さんの生誕地西郷さんの生誕地

同じくウォーキングライフマイスターの西園靖彦さん

郷中教育の山坂達者精神で今日も行きましょう!郷中教育の山坂達者精神で今日も行きましょう!
(歴史トークもお得意です!)
「西郷どん」に一礼! して「西郷どん」に一礼! して

いざ、出発です!

みんなで1時間ほど歩きます!みんなで1時間ほど歩きます!この日は記念すべき50回目!

このノルディック・ウォーク、もともとはフィンランド生まれで、クロスカントリー選手の夏場の体力維持・強化のトレーニングとして始まりました。簡単に始められ運動効果も高いことから、一般市民の間にまたたく間に広まり、フィンランドやノルウェー等では、とてもポピュラーな健康法として定着しています。ドイツやオーストリアなどヨーロッパでも人気が高まっているそう。日本でも20年ほど前に整形外科のドクターによるリハビリ効果が指摘されてから一般に知られるようになりその健康効果に注目が集まっています。
インストラクターさんによると…

ウォーキングに比べてエネルギー消費量が20%ほどアップするとか…ウォーキングに比べてエネルギー消費量が20%ほどアップするとか…

全身の約90%の筋肉を使う有酸素運動なんで、普通のウォーキングより運動効果が高いんです。しかもポールを動かして両手や肩も使うんで、肩甲骨まわりの筋肉が自然にほぐれて肩こりにも効果があるんですよ!

初心者には、オレンジベストの指導員の方が、ポールの使い方や歩き方を指導して 下さいます初心者には、オレンジベストの指導員の方が、ポールの使い方や歩き方を指導して下さいます

始まりがクロスカントリーと聞くと、とてもハードなアスリート系のトレーニングを想像しますが、参加している方にお話を聞いてびっくり…

82歳の西田弘さん82歳の西田弘さん

糖尿病でインシュリン治療中。膝も痛いのよ。でも、これを使うと『ふらつかないし、こけない。』このウォーキングが、私の養生!もう5年やってるよ。

ポールが歩行のバランスをサポート、姿勢も良くなるそう…ポールが歩行のバランスをサポート、姿勢も良くなるそう…

3回目の参加という遠矢さんご夫婦は…

「主人は股関節、私は膝が悪いんですよ」と話す「主人は股関節、私は膝が悪いんですよ」と話す
遠矢洋子さん(64)と遠矢貴(67)さんご夫妻

「ポールに体重の20%を負担してもらえるんですって。その分、膝への負担がかからなくなるから、前より足が上がるようになった気がします」と洋子さん
「これまでより楽に歩けるんで、歩くのがすごく楽しくなってきました」と貴さん

リハビリの専門家(作業療法士)でインストラクターの中川朋子さんは…リハビリの専門家(作業療法士)でインストラクターの中川朋子さんは…

そうなんです。2本杖(ポール)を使って歩くことで、安定した姿勢が保て、保幅が広くなります。腰や膝への負担も軽くなって、いつもより長く歩いても疲れないんです。継続してノルディックポールを使って歩くと、姿勢も良くなりますよ。転倒防止、介護予防やリハビリの分野でも効果が期待されているんですよ。

ノルディック・ウォークの推進者のひとり 中澤誠吉さんノルディック・ウォークの推進者のひとり 中澤誠吉さん(68)は
これに出会って歩く楽しさに目覚めました!
(現在はNPO法人 鹿児島県ノルディック・ウォーク連盟 理事長)

私は、あのレディ・ガガさんと同じ病気、線維筋痛症で10年前まで歩けなかったの。
階段も手すりを掴んでやっと上がってたんだから。信じられんでしょ。鹿児島市の仁愛会病院の平田先生の勧めでこれを始めたの。今ではノルディックウォークの大会コースを平気で20キロ、30キロ、歩きますよ。

中澤さんのキャップは「名人」の称号入り中澤さんのキャップは「名人」の称号入り…
(全国各地のノルディック・ウォーキング大会に参加して歩いている証だとか…)
「この名人のキャップは誰でももらえないのよ!凄いの!」「この名人のキャップは誰でももらえないのよ!凄いの!」と、インストラクター仲間の益山順子さん

昨年2月脳出血で倒れた、西俊郎さんもノルディック・ウォークでリハビリ中。

「歩き方が随分良くなってきたよね~」とまわりから声がかかります「歩き方が随分良くなってきたよね~」とまわりから声がかかります
西俊郎さんとけいこさんご夫婦西俊郎さんとけいこさんご夫婦

左半身に軽い麻痺が残ったんで、何らかの杖が必要だと思ってたの。2本杖で安定感があるから、一人でも安心して歩けます。これを使って、毎日自宅近くを30分から1時間歩いてます。それにこれだと、ちょっとカッコいいでしょ!

この方も脊柱管狭窄症があるとか…この方も脊柱管狭窄症があるとか…
「医者から勧められてもう2年続けてます」と畠中正さん(75) (写真左) 「医者から勧められてもう2年続けてます」と畠中正さん(75)(写真左)

みなさん、無理せず自分ペースで歩いています。持病を逆に明るく自己申告しながら、歩く楽しさ、歩けるようになった喜びをたくさん話して下さいました。
ウォーキングコースの加治屋町一帯は、歴史散策も楽しいところ…

明治維新150年に合わせて、歴史ロード「維新ドラマの道」も整備されたばかり明治維新150年に合わせて、歴史ロード「維新ドラマの道」も整備されたばかり

時々、立ち止まって歴史のお話を聞きながらのウォーキングです。

歴史好きの西園靖彦さん(ウォーキングライフマイスター)の歴史トークを聞きながら、また次に進みます…歴史好きの西園靖彦さん(ウォーキングライフマイスター)の歴史トークを聞きながら、また次に進みます…
NPO法人 鹿児島県ノルディック・ウォーク連盟事務局長 西園靖彦さんNPO法人 鹿児島県ノルディック・ウォーク連盟事務局長 西園靖彦さん(ウォーキングライフマイスター)

歩くのがメインだからあんまり喋っちゃダメって言われるんだけど、せっかくだから鹿児島の自慢話をしながら楽しく歩かなきゃ…地元の歴史を学びながら健康づくりまで出来るんだから、とても良いでしょ!

桜の頃はまた一段とここを歩くのが楽しいのよ!桜の頃はまた一段とここを歩くのが楽しいのよ!

その運動効率の高さから、シェイプアップ、フィットネス、スポーツ選手の強化トレーニングとしても注目されているノルディック・ウォークですが、その人の目的に応じて、こんな風に誰でも気軽に楽しめるのが魅力です。
ただポールの使い方や歩き方によっては効果半減になってしまうこともあるそうです。
公認指導員から適切な指導を受けながら、自分に合ったウォーキングスタイルで続けていくことが大切です。
リハビリしている人にとっては歩く助けとなり、
美しさを求める人にとっては、歩く姿勢が自然と身につく…
フィットネス、体力づくり、リハビリ、ロコモ対策(運動機能強化)…目的はそれぞれ

2本のポールを相棒に2本のポールを相棒に
ご一緒に歩いてみませんか?ご一緒に歩いてみませんか?

2本のポールが、あなたの助けとなって、歩く楽しさと可能性が一段と広がっていきますよ。

NPO法人 鹿児島県ノルディック・ウォーク連盟からのお知らせ

「ノルディック・ウォーク」加治屋町コースは毎月、第2土曜日に朝8時から行っています。
(雨天中止)参加費は200円。ポールをお持ちでない方はレンタルも行っています。
(レンタル料300円)参加ご希望の方は、前日までに下記にご連絡下さい。
NPO法人 鹿児島県ノルディック・ウォーク連盟
事務局(カクイックスウイング加治屋町店内)

鹿児島市加治屋町3-1
TEL: 099-226-0923

ノルディック・ウォークは子どもからお年寄りまで、それぞれの体力、身体状況に応じて楽しめます。その普及啓発のためポールの使い方の指導や体験会、県内のさまざまなウォーキング大会や行事への協力を行っています。
行事予定などについては、NPO法人 鹿児島県ノルディック・ウォーク連盟のFacebookで随時、情報を更新していますので、どうぞご覧下さい。

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